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ウォン相場、通貨危機当時の乱高下に酷似(上)
アジア通貨危機が起きてから約1年たった1998年12月11日、韓国貿易協会は「ウォン高による輸出業界の障害」と
題する緊急資料を配布し、「ウォンがあまりに急激に上昇し、輸出業界の40%が赤字輸出をしている」と
ウォン高の苦しみを訴える内容だった。
当時は通貨危機でウォン安が続くとみて、輸出業者がため込んだ外貨だけで130億ドル
(大企業85億ドル、中小企業45億ドル)に達した。貿易協会は「(ウォン高に転じた)3カ月間の数字上の
為替差損規模は1兆 9000億ウォンに上り、輸出競争力確保のため、政府はウォン高を防ぐべきだ」と訴えた。
どうしてそんなことが起きたのか。1997年末に1ドル=1995ウォンまで下落したウォン相場がわずか1年に
1186ウォンまで急反発したのだ。韓国銀行関係者は「ウォン安が進むとみて輸入を急ぎ、
輸出を先延ばしにした企業が多額の為替差損を出した。現在も当時の状況と似ている」と分析した。
◆広がる変動幅、ウォン急騰の前兆か
韓国政府が国際通貨基金(IMF)への支援要請を発表した1997年11月21日以降と9月15日(韓国時間)に
米投資銀行のリーマン・ブラザーズが破産申請したことで起きた今回の金融危機の為替動向を比べるとそっくりだ。
97年11月21日、韓国政府がIMFに支援要請を行った当日、ウォン相場は前日比160ウォンのウォン安ドル高となる
1056ウォンで取引を終えた。取引時間帯中の変動はあっても、為替相場は半月後まで1100ウォン前後で推移した。
今回も9月15日にリーマン・ブラザーズの破産申請があってから半月がたった10月に入り、ドル資金不足で
ウォン安が加速した。
97年12月25日以降の半月はウォン相場の1日の変動幅が最大で291ウォンに達するほど急落、急騰を繰り返した。
12月23日にはついに通貨危機以降の取引時間中の最安値となる1995ウォンを付けた。
しかし、心理的な抵抗線の2000ウォンが近づくと、その後は政府の介入なしでウォン相場は急騰を始めた。
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