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■自国語で学問する
今年のノーベル物理学賞受賞者は日本人一色だ。高エネルギー加速器研究所の小林名誉教授、京都大の
益川名誉教授と日系アメリカ人の南部シカゴ大名誉教授だ。日本は1949年に湯川秀樹が物理学賞で初の
ノーベル賞を受賞して以来、物理学賞受賞者だけで7人になる。今年も受賞者をまた輩出した化学賞に医学
生理学賞を加えれば受賞者は13人になり、この分野の国家別順位でも世界7位だ。
日本の物理学賞受賞者たちは専ら日本で大学を終えたが、特に今回の受賞者3人はいずれも最終学位まで
日本で終えた。80代の南部教授は1952年にプリンストン大招聘を契機にアメリカに定着したものの東京大学
で勉強したし、60代の小林・益川教授は名古屋大で博士課程まで終えた。今回の受賞対象となった「小林・
益川理論」自体、2人が大学院生と研究員として出会った名古屋大で誕生した。
日本の基礎科学がどうして強いのかについては様々な理由があるが、私が見るに、日本語で学問をすると
いう点も大きいようだ。基礎科学、特に物理学のような分野は物質界の作動原理を研究するものであるから、
どの分野よりも深みがあり独創的な思考が重要だ。深みがあり独創的な思考をするためには、たくさん思考
せねばならない。そのためには基本的な概念を早くからきちんと身に付けねばならない。南部教授は小学校
のときに理科の時間に感じた興味が彼を科学者に導いたという。基本概念はどうすればきちんと身につくか。
理解しやすい言語で科学を説明することから始まるはずだ。
日本は初等・中等過程はもちろん、大学でも日本語で科学を教える。そのため、西洋で発達した科学を日本
語に訳すのを当然の基礎過程だと考えている。漢字文化圏である東洋4国があまねく使っている「科学」「化
学」「物理学」などの用語自体が、アルファベット圏言語を自国語で把握しようとした日本の知識人たちによる
翻訳の所産だ。「素粒子」「陽子」「電子」などの用語も、すべて日本人が作ったものだ。
そのおかげで、日本人にとって世界的水準で思考するということは世界で一番深く思考するということであり、
英語で思考するということではなくなった。これは外国語が苦手といわれる日本人たちが基礎科学分野で
ノーベル賞を多く取っていることや、益川と小林の研究が日本の大学から誕生したことにもよく現われている。
一方我が国は、小学校・中学高校過程では科学の基本概念をきちんと把握する教育をしないで、大学に入
ると突然英語で科学を教える。名門大学であればあるほど、理学部・工学部・医学部の物理・化学・生理学
などの基礎分野に英語教材が使われる。内容理解だけでも不足な時間に外国語の負担まで重なっては、
韓国語で学ぶ場合に比べると半分も学べない。韓国の基礎科学は外国に留学に行くことを初めから想定
して教えているわけだ。
教授たちは、基礎科学分野の名著がまともに翻訳されていないからだと言うが、このように原書で教えてい
ては翻訳する意味がなくなる。韓国語なら10冊読めるであろう専攻書籍を、1冊把握することも手に負えない
から、基本の面で韓国の大学生たちが日本の大学生たちより遅れるのは当然だ。大学を出ても学んだもの
が無いという現象も、ここから生じているのだ。
大学の基礎科学教育を世界的な水準へ高めるために外国の碩学たちを連れてくるのに国はお金を惜しま
ないという。ちょっと聞くと素晴らしいことだ。ところが、果たして全国の小学校と中学・高校で科学の実験は
思う存分できるか。初等・中等過程と大学過程で科学を正しく理解する基礎は用意されているか。世界的な
水準で思考するということは、英語で思考するということではなくて世界で一番深く思考するということだが、
それを実践する土台は用意されているか。ハングルの日だから言っているのではない。
▽ソース:韓国日報(韓国語)(2008/10/09 03:07)
URLリンク(news.hankooki.com)
▽関連スレ:
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