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■国民品位なくして国家ブランドなし
北京オリンピックで現われた「嫌韓」ムードは、私たちに大きな憂慮を抱かせた。多くのメディアや
専門家らが、この現状の原因を分析した。まずは、韓国で起きた聖火リレー反対の動きが嫌韓
ムードに火をつけた最大の原因だ、という意見がある。また、インターネットに撤き散らされた韓国
に関する虚偽情報が主犯だという分析や、経済成長で亢進した中国人の民族主義が、競争者で
ある韓国への敵対心を呼んだのだ、という主張もある。
いずれも一理ある。しかしこのような仮説は、嫌韓の原因を政治的な理由に求めたり、中国内部
の問題に帰着させている点で、安易な面がある。もしも嫌韓現象の起きる場所が中国だけならば
そういう解釈に首肯もできようが、事態はそんなに簡単ではない。最近の報道によれば日本でも
モンゴルでも、またベトナムなど東南アジア諸国でも、韓国と韓国人に対する感情がますます悪く
なっているようだ。したがって、私たちが憎まれる理由を敢えて外部に求めようと努力するのでは
なく、腹を括って自分たちの欠点から先によく見る必要があると思う。
筆者の場合、今年の夏休みで東南アジアのリゾートを訪れた際、それまでよくしてくれた従業員
たちが、筆者が韓国人だと分かったとたん口元に帯びていた笑みをすっかり無くして、急に冷たく
振舞うようになるという驚くべき経験をした。後で分かったことだが、ホテルの部屋やレストランで
目にした韓国観光客たちの言行は、醜態を超えて蛮行の域に達していた。
ホテルの部屋でキムチやコチュジャン入りのラーメンを作って食べても後片付けをしない。フロント
を大人数で取り囲み、大声で「早く早く(パリパリ)」を叫んで怖い雰囲気を醸成する。格式あるレスト
ランに野球帽をかぶり短パンに袖なしシャツを着て入る。子供たちが大声を出して走り回っても
叱らない。「ストリートガール」の同行入室を阻む従業員を罵る、等々。
外国人に対する基本的マナーの不在は、外国でだけ起こることではない。韓国に住むアジア人
勤労者や留学生たちに対する一部韓国人たちの無礼は、普通人の想像を超えている。筆者が
勤める大学で学ぶ何人かのアジア人留学生たちの証言によれば、品物を買おうと商店へ入った
際に、たちまち丁寧でない言葉で「おい、手を触れるな、あっち行け!」と怒鳴られた経験をした
人が、一人や二人ではないという。皆が言うわけではないが、一部の韓国人のこのような行為
は、一番近い友達を最大の敵にする、本当に愚かな売国行為だと言わざるを得ない。
李明博大統領が8月15日(光復節)の祝辞で、国家ブランド委員会の設置計画を発表した。国家
ブランド価値を引き上げるのが重要な課題だという点には共感する。低い国家イメージのせいで、
韓国企業が良い品物を作っても相応の価格設定ができず、国民は外国に多くのお金を支払って
も相応の待遇を受けることができないのが現実だからだ。国家ブランド評価機関であるAnholt-
GMIが発表した韓国の国家ブランド価値は国内総生産の37%に過ぎず、日本の224%に比べて
惨憺たる水準だ。国家順位では39ヶ国中の32位だ。低評価された国家ブランド価値を引き上げる
ためには、国家イメージを改めようとする国家レベルでの努力が必要だ。これは、広告や広報、
イメージ操作だけで可能だと思っていては決して成功することができない。
地に落ちている韓国の国家ブランドを高めるための解法は、方法論ではなく内容で、そして国外
ではなく国内で先に捜さなければならない。国民の品位を高めずして国家のイメージが高くなる
わけがない。だから、いま韓国の青少年たちに一番必要な教育は「英語没入教育」ではなくて
「礼節没入教育」ではないかという考えがしきりにする。もうすぐ設置される国家ブランド委員会
は、まさにこうした点を念頭に置いて運営すべきであろう。
【金ムゴン・東国大学新聞放送学科教授】
▽ソース:ソウル新聞(韓国語)(2008-09-18 04:27)
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