08/09/07 12:43:03
8月4日、現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋という韓国造船業界「ビッグ3」の
株価が一斉に10%前後下落した。先週末に現代尾浦造船がケミカルタンカー4隻
(1970億ウォン=212億円相当)、大宇造船海洋がコンテナ船8隻(6190億ウォン=667億円
相当)の受注契約を解除したと発表したのが導火線だった。
韓国の造船景気が腰折れしたとの懸念が高まり、8月5日にも造船各社の株式は下落を続けた。
その後も世界最強とされる韓国造船業界の屋台骨が揺らいでいるという話が出回っている。
果たして造船業界の危機説は本当なのか。
◆契約解除は受注全体の0.5%
株価が暴落して3日後の8月7日、大宇造船海洋は米州地域の船会社から7億ドル(約765億円)
相当の石油掘削リグ1基と7億6000万ドル(約831億円)相当のドリルシップ(超深海鉱区
掘削船)を受注したと発表した。受注量は大宇造船海洋が1日に契約解除を発表した
コンテナ船の2倍に達する。
大宇造船海洋はコンテナ船の契約解除を発表した前日の7月31日にも7660億ウォン(約825億円)
相当のドリルシップ受注を発表している。現代尾浦造船もケミカルタンカーの契約解除を
発表した1日にバルク船10隻、5128億ウォン(約552億円)相当の受注を発表した。
韓国造船協会のハン・ジャンソプ副会長は「韓国造船業界の受注残高2439隻のうち、
今回契約が解除されたのは12隻で全体の0.5%にすぎない」と指摘。その上で、「造船業界は
今後3-4年分の受注を確保しているほか、現在も受注は増え続けており、一部の契約解除を
不況の兆候とみるのは誤った分析だ」と強調した。信栄証券リサーチセンター長のチョ・
ヨンジュン氏も「韓国造船業界の実績は良好だが、いつかは景気が腰折れするとの不安感から
株式市場が過剰反応した」と分析した。
◆世界市場シェア、50%台に拡大
世界景気が低迷の兆しを見せている上、船舶建造の主材料である厚板の価格が上昇しているため、
造船業界が昨年のような好況を維持するのは難しいとの懸念がないわけでもない。大信証券
アナリストのチョン・ジェチョン氏は「コンテナ船、バルク船、タンカーなどの受注量は
減っていく」と予測した。米サブプライム問題の余波で世界的に金融市場が引き締められ、
船主の資金調達が困難になるとの見方もある。昨年の全世界の船舶受注量は8360万CGT
(標準貨物船換算トン数)だったが、今年は上期時点で2450万CGTと前年実績の半分にも
満たない状態で、「危険信号」がともっている。
しかし、チョ氏は「発注量の縮小で原価競争力に乏しい中国はさらに苦境に陥る。韓国は
今後3-4年は問題ないだろう」との見方を示した。
産業研究院(KIET)の洪性仁(ホン・ソンイン)博士も「世界の発注量が減少すれば、
現在韓国造船業界が受注しきれずに中国に回されている部分の需要が、技術力が高く納期を
守る韓国にシフトする可能性が高い」と指摘した。
世界の造船・海運市況分析機関クラックソンによると、今年上期の世界の船舶発注量のうち、
韓国のシェアは50.6%(CGT基準)で、昨年通年(38.9%)をはるかに上回った。
韓国造船協会のキム・ヨンフン人的資源開発センター所長は「韓国の中小造船所は短期的に
受注条件が大きな影響を受けるため、大型造船所が取り扱わない船舶を中心にすき間市場を
攻略するなどの対策が必要だ」と訴えた。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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