08/08/26 15:25:46
東芝と造船重機大手IHI(旧石川島播磨重工業)、韓国最大の重工業メーカー、ドゥーサン(斗山重工業)
の3社が原子炉製造で提携することで合意したことが26日、明らかになった。
東芝は米原子力大手・ウェスチングハウス(WH)を買収したが、IHI、ドゥーサンという有力な原子力関連
企業も陣営に取り込み、大量受注をこなす生産体制を整える。各国で建設増が見込まれる原子力発電所の
受注を優位に進める。
東芝―WHグループはすでに米国と中国で計12基の加圧水型原子炉(PWR)を受注、2015年までに
世界で33基の原子炉を受注する目標を掲げる。しかし、沸騰水型原子炉(BWR)を手がけてきた東芝には
PWRの技術がなく、WHもPWRの設計、開発技術はあるものの、長く米国で原発建設が凍結されたため
生産設備を持っていないことが課題となっていた。
今回の提携で、東芝はドゥーサンからPWRの製造ノウハウを提供してもらい、東芝と関係が深いIHIがPWRの
主要機器である蒸気発生器などを新たに製造できるように体制を整備する。
東芝はIHIと原発事業を含むエネルギー・プラント事業の包括提携を検討していたが、原発の受注ペースが
速いため、第1段階として原子炉製造で、ドゥーサンも含めた提携を優先することにした。
中国の原子炉はドゥーサンが、米国はIHIが製造する見通し。東芝とIHIはすでに、受注を生産につなげる3社
提携の具体的な内容について協議を進めている。
ドゥーサンは韓国最大手の重工業メーカーで、原子力プラントなどを製造し、2007年12月期の売上高は
4兆900億ウォン(約4090億円)に上る。
日本原子力産業協会によると、世界38か国・地域で運転中の原発(2008年1月現在)は435基に上り、
建設中は43基、計画中も53基ある。温暖化防止の観点から原子力発電所の需要は高まっており、今後
20年間で計150基以上の建設が見込まれている。
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