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2004年の9~10月の2ヶ月間、国立精神・神経センター精神保健研究所の尾崎茂氏らは、全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査を行いました。
尾崎氏らは、日本のすべての有床精神科医療施設で診療を受けた薬物関連精神疾患の全患者(外来・入院)について尋ね、837施設の453例を分析しました。
(2004年度の調査では前回調査(2002)に比べ、報告症例数が激減しましたが,その要因のひとつとして今回は文書による同意取得を条件としたことが考えられ,
同意を拒否例が相当数存在することが伺われました)
では、この調査から、日本で精神科を受診する大麻濫用者の傾向をみてみましょう。
【大麻使用者には、どんな疾患が多いのですか?】
6割が精神病、3割が依存症です。(精神疾患の家族を持つ人は、2割強です)
尾崎氏らは述べます:
『診断名としては,約3分の1が“【F19.57】精神病性障害(6ヶ月以上)”に該当し,長期にわたる症状の遷延傾向がうかがわれた』
治療は外来中心で、入院者は17.6%のみです。
大麻で入院した人は、本人の意思に反するにもかかわらず、医療上の必要性から家族の要請や同意の下で入院させた「医療保護入院」が全例を占めます。
【薬物乱用者のうち、大麻を主とする人の割合は?】
全体の3.8%です。男性では3.9%、女性では3.4%、とやや男性に多いです。
【年齢は?】
大麻を初めて使った平均年齢は,18.3歳です。調査時の年齢は、27.6歳。
これは全濫用薬物の中で最も低く、すべて15~44歳の年齢層です。
他の薬物濫用者の平均年齢は、『覚せい剤症例』37.0歳,『有機溶剤症例』31.5歳,『睡眠薬症例』43.0歳など,ほぼ30~40歳代を中心に分布しています。最も高齢なのは『睡眠薬症例』で、43.0歳です。