09/05/08 02:36:37 Fj73/Mr4
>>960
>そもそも昔の人が書いた『性愛の社会史』や『農民の愛と性』や『地中海』
>やらの内容が事実だとは限らん
ジャック・ソレもジャン・ルイ・フランドランも、現在進行形で活躍する、
アナール学派第三世代を代表する歴史家だよ。昔の人じゃない。
『地中海』の作者であるフェルナン・ブローデルは、第二世代の人で、もう故人だから「昔の人」だが、
戦後最大の歴史家の一人であり、資料的な裏づけもきちんとしている。
確かに、タイムマシンがあるわけではないから、100%事実だとは言えないが、
織田信長が本能寺の変で死んだというのと同じく、相当量の資料と、歴史学界での議論を経て、
現在に残っている主張だから、事実だと考えるのが妥当。
100%確実な事実を求めるのは、どんな場合であっても無理で(君の議論だって仮定に仮定を重ねている)、
確実じゃなければ虚偽だという議論は、歴史的な教訓をすべて棄却するのに等しい。
少なくとも、証拠をだせといわれた場合、これ以上のことはやりようがない。
「人間は本能的にセックスをするわけではない」という君の主張だって、
せいぜい、大脳生理学者か心理学者の議論を引用するぐらいしか、根拠を出しようがないでしょ。
彼らの科学的な議論が間違えている可能性まで考慮し始めると、なにも議論できなくなってしまう。
>当時の経済状況を伝えるのがいやだったため捏造をしたという可能性がある
戦前の政治史の方法論ならそういう可能性も配慮すべきだが、
戦後のアナール学派や社会史の方法論では、当時の人たちの家計簿や通商記録を参照し、分析するため、
当時の人たちが経済状況を隠していたとしても、相当正確な数字をはじくことができる。
歴史家自身には、経済状況を誇張しても利益はない。
もし誇張しているのなら、誇張していると考えるに足る、根拠をあげる必要がある。