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村上春樹さん、エルサレム賞記念講演でガザ攻撃を批判
2009年2月16日8時27分
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写真15日、イスラエルのエルサレムで開かれたエルサレム賞の授賞式で、記念講演する村上春樹さん=平田写す
写真15日、エルサレムで開かれたエルサレム賞の授賞式で、市長から同賞を贈られる村上春樹さん=平田写す
【エルサレム=平田篤央】イスラエル最高の文学賞、エルサレム賞が15日、
作家の村上春樹さん(60)に贈られた。エルサレムで開かれた授賞式の記念講演で、
村上さんはイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に触れ、人間を壊れやすい
卵に例えたうえで「私は卵の側に立つ」と述べ、軍事力に訴えるやり方を批判した。
ガザ攻撃では1300人以上が死亡し、大半が一般市民で、子どもや女性も多かった。
このため日本国内で市民団体などが「イスラエルの政策を擁護することになる」として賞の返上を求めていた。
村上さんは、授賞式への出席について迷ったと述べ、エルサレムに来たのは
「メッセージを伝えるためだ」と説明。体制を壁に、個人を卵に例えて、「高い壁に
挟まれ、壁にぶつかって壊れる卵」を思い浮かべた時、「どんなに壁が正しく、
どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」と強調した。
また「壁は私たちを守ってくれると思われるが、私たちを殺し、また他人を冷淡に
効率よく殺す理由にもなる」と述べた。イスラエルが進めるパレスチナとの
分離壁の建設を意識した発言とみられる。
(続く)