09/02/14 00:10:31 o5iVIxs5
>>149より
“ハマス批判もできない恐怖政治”の現実については、イスラエル軍の攻撃が続いて
いたときには、目の前にイスラエル軍という大きな、そして共通の敵がいて、ガザ住民は
そのことに注意を向ける余裕さえなかった。しかしイスラエル軍の撤退後、この問題がまた
大きなパレスチナの内部問題として表出してきている。
こんな例え話を挙げるとわかりやすいかもしれない。
「夫の家庭内暴力に苦しんでいた妻が、ある日に武器を持った強盗に襲われ、一時はその
恐怖と怒りがあまりにも大きく夫の暴力について忘れ、夫と心を1つにして共にその強盗対策に
協力した。しかし、強盗が立ち去った後、また夫の暴力が妻を悩ます最大の問題になってきた」
家族を失なったり家を破壊された被害者たちに、「この攻撃のきっかけを作ったハマスへの
怒りは?」と訊くと、カメラの前では一様に、「いやハマスに責任があるのではなく、イスラエルの
せいだ」と応える。しかしカメラを回さないところでは、ハマスへの怒りを正直に語る者もいる。
なぜか。ハマスへの恐怖だ。ハマスに批判的な発言をしたために弾圧された例はたくさんあると
人びとは言う。そんな状況のなかで、カメラの前でその現実を語ることはとても危険なこと
なのだ。私自身、取材の中で私のカメラの前でハマスへの恐怖心の証言を得たのは1例だけで、
ハマスに身内を殺された遺族へのインタビューの中でだった。
(続く)