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2月13日付・猛獣使い
2009/02/13 09:26
URLリンク(www.shikoku-np.co.jp)
パレスチナ自治区ガザへのイスラエルの大規模攻撃では、子ども400人以上を含む
約1300人が殺害された。国連や人権団体は、無差別攻撃と白リン砲弾の使用が
「戦争犯罪」に当たると強く非難した。スペイン内戦中の無差別空爆の惨劇を世界に
伝えた、ピカソの名画「ゲルニカ」を想起した人もいるだろう。
米週刊誌タイムは、イスラエル軍兵士が、民家の入り口に出て白旗を掲げた3人の
子どもを銃撃したという住民の証言を伝えた。駆けつけた救急車を戦車で押しつぶし、
病院への搬送を遅らせ、2歳のアマルと7歳のスワドの姉妹は死亡した。
「分からない。私は(イスラム原理主義の)ハマスじゃない。子どもたちも違う。彼らは
何でこんなことをしたんだ」。家族の悲痛な叫びだ。
スイスで開かれたダボス会議で、トルコのエルドアン首相は、ガザ攻撃を正当化した
イスラエル大統領に激怒し、「人殺しをしているのはイスラエルだ」と批判し退席した。
トルコはアラブ諸国の中で一番のイスラエル親善国だが、友好関係に深刻な亀裂が生じた。
ガザでは破壊されたイスラム教寺院(モスク)にトルコ国旗が掲げられ、各地で
エルドアン氏をたたえる集会が開かれた。
中島敦は、虎に変身した人間の性(さが)と悲しみを描いた「山月記」に、「人間は
誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという」と書いた。イスラエルの
次の指導者が、己の内の猛獣をよく統制できる能力の持ち主であることを願ってやまない。