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イスラエル選挙 右派の躍進は和平を阻むか(2月13日付・読売社説)
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ただでさえ停滞している中東和平プロセスの行方が、一層困難な見通しとなった。
イスラエル総選挙で、パレスチナとの和平実現に消極的な右派勢力が大きく議席を伸ばしたからだ。
パレスチナ国家の樹立に反対する右派政党リクードは、議席を倍以上に増やした。極右政党の
獲得分を加えると、右派勢力だけで過半数を制したことになる。
パレスチナ自治区ガザからロケット攻撃を受ける一方、イランの核開発疑惑に打開策も
見えない。イスラエル世論が安全保障問題を重視した表れだろう。
それでも、パレスチナとの2国家共存を柱とする和平を目指す中道政党カディマは、
かろうじて踏みとどまった。
党首のリブニ外相は、政権維持を図る姿勢を示しているが、新しい議会勢力図を
考慮すれば、先行きは楽観できない。
カディマの獲得議席は、定数の4分の1にも満たない。連立工作を成功させるには、
右派の取り込みが必須となる。そのためには、対パレスチナ政策をめぐり、大幅な
妥協を余儀なくされるのは間違いない。
リクード党首のネタニヤフ元首相が主導権を握れば、一挙に右派を糾合できるのかどうか。
例えば、国内のアラブ系住民をイスラエルの脅威と位置づけ、その排斥を訴える
極右政党の主張を受け入れられるだろうか。
(続く)