09/02/28 20:53:09 kMDptSZL
「かんぽの宿」一括売却を巡る迷走劇の意味するもの
思うに、毎年40~50億円もの赤字を垂れ流す「不良資産」を放置すれば、たとえ建設に2400億円かかろうとも、
設備のメンテナンスすら思うに任せなくなり、その資産価値は劣化し、近い将来買手すらつかなくなり、無価値になる。
こんなことは「投資の意思決定」のイロハだが、この場合既に投じられた2400億円は埋没原価(サンクコスト)であり、
意思決定上は無視すべきもので、年間40~50億円の赤字こそが意思決定上無視できない「機会費用(オポチュニ
ティコスト、機会原価、機会損失などともいう)」なのである。
卑近な例で考えてみよう。
もし、あなたが退職金で2400万円の別荘(=保養施設)を購入したが、そのために毎年40~50万円の維持費や交通費
が余分にかかり、この先年金以外には収入が見込めず、家計は火の車だが、買手がなかなか見つからない。
そんな中、残債を除いた土地代の残価100万円でなら買い取ってもいいという買手が現れた。さあ、どうする?
この場合、2400万円はすでに払ってしまった金額なので、いまさらあれこれ考えても如何ともしがたい類の投資物件(=埋
没原価)なのである。家計を維持するためには、今後発生する損失を減らすことこそが重要であり、そのためには年間40~
50万円の赤字の有無による利害得失を判断すればいいのである。
家計が逼迫(ひっぱく)し、支出を切り詰めなければやっていけない昨今の状況に思いを致せば、答えは明らかであろう。
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