08/12/16 21:14:17 9P3sAB4g
つい最近、と言っても先月の話ですが、厚生労働省の元次官らが連続して襲われるという事件がありました。
この事件は当初、年金問題を背景としたテロと見なされていたことはご存知の通りだと思います:
(略)
話は大きく変わります。こちらはマンガやアニメ系に関心のある方しかご存じないと思いますが、
『かんなぎ』というマンガで意外なストーリー展開があり、それに対して一部のファンが反発した直後、
作者が入院して作品が休載されるという出来事がありました。これについて、「読者による
誹謗中傷が休載の原因だ」という見方がネット上でまことしやかに囁かれていたのですが、
連載誌の発行元が公式に否定しています:
■ 「かんなぎ」休載は「作者入院のため」 発行元が説明、「中傷で休載」は否定 (ITmedia News)
こちらの騒動については、過激な行動を取っていたのはごく一部の読者だけだったのに、
彼らの行動を拾い集めた「まとめサイト」や騒動を面白おかしく報じた一部メディアの影響を
指摘する声が挙がっています。いずれにせよ、「誹謗中傷->入院」という関連性は見かけよりも弱いようです。
この2つの事件、内容は全く異なりますが、原因をめぐる「勝手な解釈」が一人歩きしたという
点では一緒ではないでしょうか(その「勝手な解釈」をメディアが煽った、という点も一緒かもしれません)。
また「年金問題が原因で厚生労働省に恨みを持つ人が多い」「キモいオタクは理解不能な行動に走る」など、
事実を追うよりもステレオタイプに沿って情報の取捨選択が行われたという点も似ているでしょう。
どうも人間の脳は、「衝撃的だけれど、あり得そうなストーリー」というものに弱いようです。
URLリンク(blogs.itmedia.co.jp)