09/11/06 17:47:41
>>385
愛を失う不安を感じていたのは、彼がいつも大きな夢を追いかけて
いたから。どこか遠くへ行ってしまいそうな気がしたから、とも考え
られる。彼はあまり多くを語るタイプでは無く、真意を量りかねる事
があったのかも知れない。でもそんな所にも彼女は強く惹かれていた、と。
失恋なら、「もう泣かないと約束する」のではなく、「もう泣くのは
止めよう」的な、自分一人での決意になるのではないかな。
もう気持ちが離れてしまった相手と約束するのは不自然な気がする。
俺が思い浮かべたシチュエーションはこんな感じ。
たとえば、一緒にいたときに何らかの危機が二人を襲い、
彼は彼女を助けるために命を落とした。そして、彼女が知らなかった、
彼がいかに彼女を愛していたかという事を示す事実が彼の死後に
次々と明らかになる。彼女との未来のために何か準備をしていた、とか。
あるいは、二人の間には何か障壁があり彼は一人でそれと戦っていたとか。
しかし余計な心配をさせないよう、彼女には黙っていた。
そんな彼の愛の大きさに気がつかず、愛されているかどうかなんていう、
ある意味ちっぽけな事ばかり考えていた、そんな幼かった自分を、
絶望の淵から立ち上がろうしている今、客観的に振り返る事ができる
ようになった。愛を失うことを怖がっていただけの自分を振り返ることで、
その対比として彼の愛の大きさを暗示しているのではないだろうか。
そんな心境に至るまでには、ひょっとしたら彼の後を追おうとした事も
あったかも知れない。しかし、ぎりぎりの所で思いとどまり、大きな愛を
教えてくれた彼への感謝の気持ちを胸に前へ向って歩いていこうと
している、そんな情景が浮かんでくる。そして、そんな彼女の健気さを、
一見ほのぼのとした曲調が一層引き立てているように感じられる。