10/05/31 13:16:07
ゲームと夢には共通点があり、ゲーマーは夢をコントロールできるのだそうです。
カナダにあるグラント・マキュワン大学の心理学者であるJayne Gackenbach氏は、ゲームと夢は
どちらもオルタネイトリアリティ(現実を代替する世界)であり、ゆえにゲーマーは夢をコントロ
ールできるといいます。
「あなたが仮想現実に時間を費やしているなら、他には何も必要ありません。ゲーマーはゲームの
世界をコントロールするのに慣れており、これは夢に当てはめることができます」
Gackenbach氏は明晰夢(夢であることを自覚しながら見る夢)を研究してきました。ゲーマーと
明晰夢をよく見る人はどちらも空間認識の能力が優れており、乗り物酔いにかかりにくい傾向に加えて
高い集中力を持っているといいます。
氏は2006年からゲーマーと非ゲーマーの見る夢について調査をスタートしましたが、ゲーマーの方
がよく明晰夢を見るという結果が出たそうです。
ゲーマーの明晰夢には「ゲームのキャラクターを操るように自分の身体を操作する」「自分が念じること
で夢の世界が変化する」というものが多く、視点もFPS(一人称シューティング)のような身体の内側
からのものや、TPS(三人称視点シューティング)のように身体を外側から見るものまで様々だった
といいます。
フィンランドの心理学者Antti Revonsuo氏は、夢とは「脅威シミュレーション」であるとする説を唱え
ています。夢の中で恐ろしい状況を作り出して予習をしておくことで、現実に脅威に陥った時の生存率
を上げる働きがあるのだそうです。
「脅威シミュレーション」説に着目したGackenbach氏が98人の男女を対象に調査を行ったところ、
ゲーマーは「恐ろしい夢に対して反撃する」というケースが多く、非ゲーマーよりも暴力的な方法を
使ったとの結果が出ました。
「ゲーマーには不可解な何かが起こるということです。ゲーマーは逃げ回りません。彼らは振り返って
反撃し、基準よりも高い攻撃性を示します」
氏はこの結果がPTSD(心的外傷後ストレス障害)の軽減に応用できるのではないかと仮説を立て、
新たな研究を続けているそうです。
ゾンビや恐ろしい怪物をやっつけるゲームも多いため、そうした意味ではゲーマーは恐怖慣れしている
のかも知れません。辛い記憶に苦しむ人々も多いはずで、悪夢に打ち勝つ方法が体系立てられること
を願ってやみません。
ソース
URLリンク(www.inside-games.jp)