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4月9日、アニメ製作などを手がけるIGポートは、平成22年5月期第3四半期(21年6月~
22年2月)の決算発表を行った。連結売上高は46億3600万円、利益面では営業損失1億9200万円、
経常損失1億8600万円、四半期純損失2億7400万円といずれもマイナスとなった。
また決算発表に合わせて通期連結業績予想の下方修正が行われた。連結売上高は期初予想の
63億7900万円から59億5700万円に引き下げられ前年比で1割程度減少する見込みだ。さらに
これまで黒字予想となっていた営業利益はマイナス1億8000万円、経常損失が1億5700万円、
当期純損失が2億7000万円となる。
第3四半期までの事業セクターごとの業績では、映像制作事業、版権事業は営業黒字と
なっている。映像制作事業の売上高は33億4450万円(前年同期比13.5%減)、営業利益は
860万円(同96.8%減)である。また、版権事業は『攻殻機動隊S.A.C.シリーズ』、『戦国BASARA』、
『東のエデン』などを中心に4億3570万円(同9.0%減)、営業利益は9350万円(前年同期は
4140万円の営業損失)となった。
一方、マッグガーデンによる出版事業は営業赤字となった。月刊誌18点、新刊コミックス62点を
刊行したが、売上高は7億9770万円と前年同期比で 14.3%減少し、営業損失が3430万円
(前年同期5650万円の営業利益)であった。
業績の修正についてIGポートは、テレビ制作の企画中止や版権事業での計画未達成を
理由としている。新作テレビアニメ企画の急激な減少の影響が、大手のアニメ製作会社にも
及んだかたちだ。特に同社のグループ会社プロダクション I.Gやジーベックは、業界で新規企画の
減少幅が大きい所謂深夜アニメなどアニメファンに向けた作品を得意にしているだけに、
影響が大きかったとみられる。
また、営業利益と経常利益の修正については、自社企画のテレビシリーズ作品の中止によって
発生したプロジェクトの費用増加、版権事業での収益減少に加えて、劇場映画の上映時間
延長などにより製造原価が増大したことを理由に挙げている。
IGポートは業績悪化の経営責任を明確化するとして、IGポート、プロダクション I.G、ジーベックの
役職員の報酬・給与の減額を実施する。業績が回復するまでとして、プロダクション I.G、
ジーベックの役員賞与の全額返上、給与の20%減額を行う。また、IGポートで賞与を
受けている監査役賞与も全額返上し、室長の給与を20%減額する。
さらプロダクション I.Gの制作部を制作1部と制作2部に分けコスト・スケージュール管理を
強化する。プロダクション I.Gとジーベックの拠点を三鷹と国分寺の自社保有建物に集約し、
経費の削減を行う。
IGポートは業界のDVD販売不振などの環境は厳しさを増しているとする。しかし、こうした
市場の変化も前提に、グローバルな展開を目指した中期事業計画を策定中とする。
中期事業計画はまとまり次第開示する方針だ。
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