10/03/26 13:13:43
不況が続く中、アニメ市場も厳しい状況にあります。TVアニメーション放映本数の減少、
DVD・ブルーレイのセールスも、一部作品を除くと頭打ちになっているという。
しかし市場が冷え込んでいる中でも、アニメーション作品のほとんどは、そのクオリティを
落としてはいません。むしろ本数を減らしたことでリソースを集中し、勝負しているようにも感じます。
特に目を引いたのが「CANAAN」でした。全13話、アニメーションのシリーズとしては短い部類に
入りますが、上海を舞台に非常に密度の濃い映像美を見せていました。
市場全体が厳しく、ユーザーの反響も期待しにくい。そのような中で、現場のモチベーションを
維持し、いかに収益につなげるかを、マネジメントを行う監督におうかがいしたいと思います。
安藤 今、お客さんにアニメーションを見てもらうのって難しいんです。
僕はテレビシリーズの監督は初めてだったので、やってみるまで分からなかったんですけど、
ああ、なるほど今の時代の娯楽のあり方はそういうものなのかと、新鮮に驚いたことがあって。
今の若いお客さんは、僕らの頃とは、娯楽の受け取り方が違うんですね。
― と、言いますと。
安藤 今は、たくさんの娯楽があるでしょう。
僕が子どもの頃は、娯楽というのはシンプルなものでしたね。時代としてはファミコンが出る
少し前で、小学生のときに『インベーダー』があったかなという。せいぜいスポーツか漫画か
アニメか、限られていたんですけど。
今の若い人は、たくさんの娯楽にかこまれている。だから、「枠」が決まっているんですね、
見る枠が。「この夏は、自分のスケジュール的には3本ぐらいしかアニメが見れないです、
忙しいので」って(笑)。
「取りあえず最初の第1話は見る。その中で、これとこれとこれは興味があるから続けて
見ることにするけど、他はちょっともう時間がないので見れません」というふうに。
― どこも娯楽の供給競争で、しかもジャンルを超えた競争相手が現れて、「ユーザーの
時間の取り合い」になっていますね。
日経ビジネスオンライン
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