10/03/21 01:02:21
(長文のため抜粋)
GIGAZINE:舞台が人間たちが人工的に作り出した「ネオジャングル」という、原作に大胆な変更を加えた
内容となっていますが、ここまでドラスティックに変えることに対して、プレッシャーはありましたか?
谷口悟朗:プレッシャーはなかったですね。まったくです。というか、従来の作品に対して変化を加える
ということについても(プレッシャーは)なかったんです。もしかしたら一部に誤解があるかもしれない
ので確認しておきたい事があります。従来の、というか一番最初にフジテレビさんで総天然色という形で
アニメ化された「ジャングル大帝」から今まで、いろいろイベント用のムービーなども込みで、どれも
原作通りにはやっていないんですよね、実は。みんな、変更しているんですよ。
とすると、アニメ「ジャングル大帝」というものは、原作に対してどう立ち向かって、どう解釈するか、
各時代や、スタッフによって違うつくりをすべきタイプの作品なんです。原作から何を引き抜くかに
よって表層は変わります。
たとえば今の時代にシェイクスピアの戯曲「リア王」や「ハムレット」をやるとしても、今の時代の
価値観だと少し合わないから、リア王は社長にしちゃおうとか、そういったことを劇団でも普通にやる
わけじゃないですか。要するに「戯曲通りにしなくてはならない」というのであれば、例えばさっきの
シェイクスピアの話ならば、まず日本で日本語でやってる段階でNGなんですよ。言語が違うんだから。
原作通りではないんですよ。
GIGAZINE:声優陣として、川田妙子さんや矢島晶子さんといった専業声優以外に、時任三郎さんや松嶋
菜々子さん、船越英一郎さんといった芸能人を数多く起用していますが、芸能人を起用することで何か
違ったことはありましたか?
谷口悟朗:ありましたね。顔出しする芸能人の方たちを呼ぶというのはどうだろう、というのがまず最初に
フジテレビさんからの提案としてありましたが、私の方としても、それは面白いからやりましょうという
ことで受けました。
あと、「声優が本職」というか、声優だけでご飯を食べている人たちとだけ仕事をする、ということは実は
私自身一度も無いんですよ。舞台役者さんなどを使うケースが多くて、例えば「無限のリヴァイアス」の時は、
主人公の声をあてている白鳥哲さんは、今は映画監督にもなっていますが、もともとは舞台役者の方でした。
「ガン×ソード」の主人公のヴァンを演じた星野貴紀さんも舞台役者でしたね。そういう意味で言うと、何を
もって「声優が本職」とするのは微妙に難しいんですよ。
たとえば、普通のアニメファンからすると、氷川博士役の千葉紗子さんは最初から声優が本職だと思ってしまう
のかもしれませんが、もともと舞台をやっておられたはずですから、純粋な声優と言って良いのかどうか、
わからないですよね。そういう方は、他にもいっぱいおられます。とすると、そんなところにいちいちこだわった
って仕方がない。だから、私は声優オンリーという発想は初めからなかったんです。
まず今回のアフレコは本職の声優さんだけを呼んで、彼らだけの音声テープを先に録って、音声ガイドにしました。
音声ガイドというのは、その後で芸能人さんたちが声を当てる時に、どれくらいのペースでセリフをしゃべって
いいのか分からないとか、どこでブレスを作っていいのか分からないとか、そういったことがあったらそれを
聞かせてあげればよいというためのものだったんです。保険ですね。
ただ、これを使ったのは女子アナウンサーの方のアフレコの時くらいでしたね。いや、ほんとに皆さん、それぞれ
存在感があって、勉強になりました。クリスタル・ケイさんやキャスターの小倉智昭さんなども、面白かったです
しね。また機会があれば、お願いしたいぐらいです。あとですね、誤解している方が多いみたいなんで、言って
おきますが、船越英一郎さんは、私の中では最初から声優枠なんですよ。声優経験がありますし。
◎ソース:GIGAZINE(全文はこちら)
URLリンク(gigazine.net)