10/03/20 13:00:14
「非実在青少年」という新語が誕生した。漫画やアニメ、ゲームで18歳未満と判断される
登場人物を意味するそう
要するにフィクションの世界のキャラクター。お役所ことばの味わいは、表現の自由を謳歌できる
国ならでは。東京都の青少年健全育成条例改正案の文言だ。著名漫画家や言論界の
反発が強く、きのう継続審議が決まった
改正案は非実在青少年の性描写を肯定的に描いてはならないとする。それは架空の
高校生未満の保護。生身の人間が被害を受けたわけでもないのに罰を下そうというから、
まるで漫画のような話
児童ポルノの虐待問題と混同するのは乱暴だ。とはいえ、架空の世界も目を覆いたくなる
描写はあろう。子への影響を案ずる親の気持ちも分かる。が、法に頼らずともルールはできる。
「見たくない自由」のため、流通や陳列に工夫の余地はある
いわゆる「不健全図書」指定制度は現条例でも機能しているはずだ。今回の規制論議は、
監視を表現内容に広げて摘発しようとの意図がみえる。出版社が東京に集中するため、
国法級の効果がある。大阪府も是非を検討するという
いつの時代も権力は検閲の誘惑に駆られる。臭いものにふたをすれば子が健全に育つ
というのもまたフィクション。残念なのは、道徳的善悪と法とを区別できる健全さが
「非実在政治家」にしか期待できないことだ。
愛媛新聞
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