09/11/10 13:19:44
◆地味な街だが、不思議の宝庫
地面にたたきつけるゴミ袋の音を楽器代わりにして歌うホームレスの女性。看板がまっぷたつに
割れ、店主がいつも泥酔して寝ている居酒屋。ビルの屋上にある拝めないお稲荷様……。
北区赤羽で出会ったまか不思議な人や出来事を、地元在住の漫画家が描いた「東京都
北区赤羽」が漫画ファンや区民の間で話題になっている。
◆作者・清野とおるさん 路地裏の姿 軽妙に描く
作者の清野とおるさん(29)は隣の板橋区で生まれ育ち、6年前に赤羽のアパートで
一人暮らしを始めた。
17歳で青年向け漫画誌「ヤングマガジン」にデビューしたが、連載は大学卒業と同時に
打ち切り。両親からの就職プレッシャーから逃れるための引っ越しだった。子供の頃から
なじみがある赤羽を選んだのは、「無意識のうちに、この町ヘンだと思っていたからかも」
だという。
最初は好奇心からヘンな人や物事を観察していたが、いつしか漫画にしたいと思うようになった。
作品は昨年末から、携帯電話の漫画配信サイト「ケータイまんが王国」に週1回のペースで
連載され、それをまとめた第1巻が今年6月に出版されると、「こんな地味な街が漫画に
なるなんて」と評判を呼んだ。
売れ行きは「赤羽駅前に限ってですが、いちばん売れている漫画『ワンピース』より発売直後で
2倍近く売れています」(版元・Bbmfマガジンの石井淳さん)と好調。9月には2巻目も出版した。
作品の舞台に足を運ぶファンも増えている。
JR赤羽駅から徒歩約10分、赤羽西4丁目のスナック「ナイトレストラン」を清野さんと訪れると、
漫画を頼りに店を探し出したという若い女性4人組がいた。
マスターの萬羽(まんば)三蔵さん(73)とママの光子さん(72)夫婦は「漫画のお陰でうちも
お客さんが増えてます」とホクホク顔。漫画の通り、キノコの天ぷら、イカの姿焼き、
納豆磯辺揚げといった料理が、注文もしないのにどんどん出てきた。
赤羽駅はしゃれた駅ビルになり、周辺の道路は拡幅整備が進む。しかし、一歩路地に入ると、
迷路のような小道や急坂が入り組んでいる。
「駅前が赤羽の建前だとすると、本音は路地にある。赤羽の本音を引きずり出したい」と
清野さんは語っている。
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