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2009年8月6日、東京、品川のバンダイナムコゲームス社屋で、“第1回 ICT時代の子どもの
未来を考えるシンポジウム”が開催された。主催はバンダイナムコゲームスと東京大学
大学院情報学環、馬場章研究室。両者は2009年 7月29日にゲームと教育をテーマにした
共同プロジェクトを発足したことを発表しており、今回のシンポジウムは、その具体的な
活動の第1弾となった。
馬場章氏は“デジタルゲームの教育活用に向けて -シリアスゲームの可能性”という
タイトルで講演を行った。その内容は、“大井町プロジェクト”、“シリアスゲーム”、“ゲームの
教育的利用”の3つ。
馬場氏は3つのテーマに触れるまえに、自身の体験を語った。馬場氏はかつて都内の
高等学校の非常勤講師を務めていたことがあり、その際に、あまり学校に来ない生徒と
出会ったという。ところがその生徒は、馬場氏が担当していた日本史の授業だけには
顔を出していた。馬場氏はこのことを自分が常勤の先生ではない非常勤講師であったことが
つき合いやすさを生んだと理解し、上下関係ではない“斜めの関係”が重要と説いた。
また、その生徒はコーエーの『信長の野望』シリーズが好きであったことも、授業に出席した
大きな要因だったと振り返った。当時、『信長の野望』シリーズに興味を持っていたのは
その生徒だけではなかったそうだ。馬場氏も試しに遊んでみたところ、「やってみたらおもしろい。
しかも、おもしろいだけでなく、当時のさまざまなことを知らないとできない」(馬場氏) ことに
気がついたという。この体験から馬場氏は“ゲームのプレイが知識を増やす”ことがあることを
認識した。
“シリアスゲーム”に関しては、医療、研修、政治などの各分野の成功例を提示した。
医療、福祉分野での成功例は、バンダイナムコゲームスのアーケードゲーム『太鼓の達人RT』。
これは通常の『太鼓の達人』を、高齢者や障害者向けにした別バージョン。椅子に座ったままでも
プレイできるように太鼓の位置を変えられるようになっていたり、力の弱い人でも遊べるように
センサーの感知度が変更できるようになっている。このゲームのリハビリ効果は九州大学
付属病院の高杉紳一郎氏が科学的に証明している。
研修目的の成功例は、スクウェア・エニックスと学研の合弁会社が製作した『D-Moment
巨大地震編』が紹介された。これは、巨大地震が発生したときの対応が学べるシリアスゲーム。
1575円[税込]でダウンロード販売されているが、2009年8月末日で販売が終了する。
また、KONAMIが日本版を無料で配布している『Food Force』も紹介された。これはインド洋の
島で災害が発生したという設定のもとで災害支援活動を行うゲーム。国際連合の食糧援助機関、
国連世界食糧計画(WFP)が開発したゲームで、同機関の活動が理解できる。
ファミ通.com(一部抜粋)
URLリンク(www.famitsu.com)
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