09/05/29 11:43:29
児童の性的虐待および獣姦の様子を描写した日本のマンガ本を輸入・所持し、わいせつ物を所持していたとして
起訴されていた米国のコミック本コレクターが、有罪を認めた。
弁護士がマンガ本の「大量コレクター」と説明する39歳の事務員Christopher Handley容疑者は5月20日(米国時間)、
わいせつ物の郵送を受け、「児童の性的虐待を視覚的に表現したものを所持」していたと認めた。この他の3件の起訴
については、検察当局との司法取引において棄却された。
この事件は、2006年に税関職員が、Handley容疑者宛ての日本からの小包を開梱したことから始まった。小包の中に
入っていた7冊のマンガ本には、未成年者がわいせつな行為を行なっている様子が描かれた図画が含まれていた。
Handley容疑者の司法取引資料(PDFファイル)によると、その中の1冊には、獣姦を描写した表現が掲載されていたという。
Handley容疑者は、児童ポルノ禁止法『2003 Protect Act』の下で起訴されていた。未成年が性的な行為に関わる様子を
描写し、「正当な文学、芸術、政治、科学的価値」を欠くマンガや図画、彫刻作品、絵画を禁止する法律だ。
Handley容疑者が有罪を認めたことにより、同容疑者は、実写による児童ポルノの収集や閲覧という証拠なしで、マンガ本
の所持により同法の下で有罪となる最初の人物となる。Handley容疑者は懲役15年以下の判決を受けることになる。
コミック本のファンたちは、マンガを理由にして人々を刑務所に入れても、性的虐待から子供たちを守るのに何の役にも
立たないと主張し、今回の事件に危機感を募らせている(PDFファイル)。
「Handley容疑者が大規模なマンガ本コレクションの一部として所持していたものが、現在、児童を虐待から保護するという
(刑罰の)根拠となっている」と、コミック弁護基金(CBLDF)のエグゼクティブ・ディレクタを務めるCharles Brownstein氏は
述べる。「該当のマンガ本の図画は、わいせつでも、ポルノ写真に似たものでもない。紙の上に描かれた線にすぎない」
(中略)
Handley容疑者の弁護人を務めたEric Chase氏によると、同氏はHandley容疑者に司法取引を奨めたという。なぜなら、
問題となっているマンガ本の絵を陪審員たちが見たら、無罪を勝ち取ることができないと考えたからだ。Chase氏は、絵の
詳細については説明することを避けた。
この事件で相談役を務めた、ミネアポリス・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインのマンガ専門家Frenchy Lunning氏は、
該当のマンガ本について、広く流通している「ロリコン」本に属するものだと説明する。
「この種類のマンガ本は、日本やアジア全土で非常に人気がある」とLunning氏は述べる。同氏はHandley容疑者について、
「小児性愛者ではない。児童ポルノの写真は所持していなかった」と指摘している。
同容疑者は今後判決を受けることになるが、その日程は現在未定。Chase弁護士は、裁判官が容疑者の状況を理解して
くれることを望んでいる。
「彼は熱心なコレクターだ」と同氏は言う。「この種類のマンガだけに集中していたわけではなく、入手できるものはなんでも
集めていた。それは大きな違いだと思う」[米国下院は2007年12月、「ネット上の猥褻作品に罰金30万ドル」を科すという法案
を可決。「ヘンタイと呼ばれるアニメ・ジャンルも含まれることになる」とされている(日本語版記事)]
WIRED VISION
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