09/05/23 22:15:02
日本のゲームソフト大手6社の2009年3月期決算が出そろった。増収増益を達成したカプコンは、
売上高が前の期比10.6%増の918億円、営業利益が同11.4%増の146億円だった。世界的に
ソフト会社の業績が悪化するなかで、ひとり気を吐いている。
■かつて直面した危機
大きく業績を伸ばしている企業は、必ずその要因が何年か前に仕込まれているものである。
カプコンの場合、経営悪化に直面した03年3月期がそれだった。
03年3月期決算でカプコンは、195億円の最終赤字を計上した。市場には米EAによる
買収交渉が行われているという情報が流れ、結局カプコン側がアーケード部門を残すことに
こだわり決裂したといわれている。
当時のカプコンは「マルチプラットフォーム戦略」を採っていた。プラットフォームごとに
独占タイトルとして提供し、プラットフォームホルダーから特別の配慮を得ようというもので、
ユーザー本位とは決して言えない戦略だった。
特に大きな失敗はPS2が普及期に向かう最中の01年に、「バイオハザード」シリーズを
任天堂の「ゲームキューブ」の完全独占タイトルにすると宣言したことだ。しかもGC向け
第一弾となる「バイオハザード4」は発売が05年1月と大きく遅れ、その直前になって
カプコンはPS2への移植版もリリースすると突然発表した。これがユーザーの不興を買い、
経営の混乱という印象も与えた。
当時の様子から、今のような好業績企業の姿を想像するのは難しい。
危機を乗り切ったことで、カプコンは強いソフト会社へと生まれ変わった。
■「対義語の組み合わせが成功を生む」という思考法
では、カプコン内部でどのような変化が起きたのだろうか。最も大きいのは、経営と開発が
協力しあう体制が築かれたことだろう。開発と営業との関係も強くなった。その象徴的な
存在が、開発トップを務める常務執行役員開発統括本部長兼オンライン事業統括の
稲船敬二氏だ。
稲船氏は「ゲーム開発者会議2007」で講演した際、カプコンの経営陣を「ゾンビ」と呼んで
話題になった。開発部門の考えを理解しようとせず、ただ売れるかどうかしか考えない
経営者の姿を皮肉ったのだ。
しかし、昨年9月の「CESAデベロッパーズカンファレンス」では逆に、経営を理解しようとしない
開発者を「甘えている」と言い切った。「いいものを作るために制作期間を延ばして何が悪い。
ユーザーが喜べばいいじゃないか」という姿勢はダメだという。作り手側も収益や株価を
無視せず、市場でどう評価されるかを考えなければ「ヒットが出せない」と稲船氏は述べている。
IT-PLUS(新清士、一部略)
URLリンク(it.nikkei.co.jp)
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