09/05/04 12:32:16
日本の「ソフトパワー」として期待を集めるアニメが、06年ごろをピークに作品数もDVD
売り上げも減り続けている。今春の新番組も激減。関係者は「アニメバブルが崩壊し、
右肩下がりの時代に入った」と話す。(小原篤)
制作会社などで作る日本動画協会によると、1年間に放送されるアニメ番組は00年には
124本だったが、06年には過去最高の306本と急増。それが08年には288本に減った。
4月開始の新番組も、06年の60本台をピークに減少に転じ、今年は30本台の見込みだ。
同協会の山口康男専務理事は「数年前からのバブルがはじけた。少子化と不況で市場は
右肩下がり。業界は人余りからリストラへ進むのではないか」と話す。
■深夜放送で品気
バブルをもたらしたのは、90年代後半から増え始めた深夜アニメ。キー局、UHF局、
衛星放送などで深夜帯に放送し、ビデオソフトを収益源とする青年向け作品だ。90年代
半ばの「新世紀エヴァンゲリオン」のヒットを受け、制作会社とビデオ会社、出版社などが
組んで競うように作品を送り出した。テレビ放映は、ソフトを売るための30分間の
コマーシャル、という側面もあった。
「放送局は、余っていた深夜の放送枠が売れ喜んだ。マスコミは『海外でも人気』『萌えブーム』
などと持ち上げた。景気回復で投資先を探していた金融会社や新興のIT企業なども参入し、
本来ニッチな市場に過剰な期待が集まった」と、あるプロデューサーはバブルの構造を解説する。
「剣風伝奇ベルセルク」「マリア様がみてる」「ローゼンメイデン」「ひぐらしのなく頃に」「マクロスF」
など、様々なヒット作や話題作が生み出され、深夜は「アニメの楽園」と化したが、ソフトの
売り上げにはかげりが見えてきた。
日本映像ソフト協会の統計では、日本のアニメソフトは05年に国内で約971億円、06年に
約950億円を売り上げたが、07年には約894億円、08年は約779億円と下降線をたどる。
「ソフトが売れないのは、増えた作品がどれも、美少女やメカといった売れそうな要素を
並べただけで似たり寄ったりだとファンが気づいたから」と、別のプロデューサーは話す。
「ハイビジョン録画機が普及してきたし、不況で若者の可処分所得も減り、ソフトは厳しい選別に
さらされる。それに耐える力のある作品を作るしかない」
asahi.com
URLリンク(www.asahi.com)
続き >>2