【書評】時間の歩き方 1 [著]榎本ナリコat MOEPLUS
【書評】時間の歩き方 1 [著]榎本ナリコ - 暇つぶし2ch1: ◆.ID4KONATA @テルミナφ ★
09/04/24 00:31:35
■先輩助けにタイムスリップ

 古今東西、時間旅行をテーマとした物語は数多い。もうアイデアも出尽くした観があるが、
それでも繰り返し描かれるのは、単に過去や未来の世界に対する好奇心のみならず、
できれば時間を遡(さかのぼ)ってやり直したい場面が誰の人生にも一つや二つはあるからだろう。

 本作でも、ある場面を何度もやり直すエピソードが物語の発端となる。
主人公は、本人の意思とは関係なくタイムスリップしてしまう特異体質の少女・杉田果子(かこ)。
おかげで遅刻の常習犯だが、それを除けば遅刻仲間(?)の先輩に淡い恋心を抱くフツーの中学生だ。
ところがある日、25世紀から来た“タラベラー”(時間旅行者)の遇太と遭遇、それが遠因となり先輩が事故死してしまう。
ショックを受けながらも遇太の力を借りて事故前の時間に戻り、先輩を事故から救おうとする果子だが……。

 設定も展開も決して目新しくはない。タイムパラドックスの扱いも、SFマニアから見ればツッコミどころはあると思う。
が、そんな理屈を超えて、力ずくでも先輩を救おうとする果子の一途さ、
その結果として自分の身に起こった事態を受け入れる態度がすがすがしく、思わず応援したくなる。

 『センチメントの季節』など叙情的作品で知られる作者だが、むしろ本作や『世界制服』のようなコメディータッチのほうが合ってるのではないか。
〈描いている自分でも結末がわからない〉という時間旅行は、果子や遇太はもとより作者にとってもチャレンジなのだ

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ソース:asahi.com
URLリンク(book.asahi.com)


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