09/04/15 19:27:40
正副理事長のファミリー企業への「資産流出」が指摘されている財団法人・日本漢字能力検定協会
(京都市)をめぐり、大久保浩副理事長が代表を務める「日本統計事務センター」(同)が、
協会が著作権をもつ検定問題のデータをゲームソフト会社2社に提供し、
ライセンス料の9割超を占める約6900万円を2年で得ていたことがわかった。
協会には約700万円しか納めていなかった。弁護士らでつくる内部調査委員会は
「ライセンス料の配分割合が適切でない」と指摘している。
協会関係者によると、センターがライセンス料を得ていたのは、任天堂のゲーム機
「ニンテンドーDS」と「Wii」向けの漢字ゲームソフト。
センターがソフト会社2社とライセンス使用契約を結び、協会の検定試験の過去問題や
書籍教材などのデータを提供。DS向けソフトは06年9月から、Wii向けが07年12月から販売された。
民間調査会社エンターブレインの調査では、2社は計7本のソフトをこれまでに製作。
いずれも「漢検協会公認」「公式ソフト」として販売され、累計販売数は約192万本に上るという。
内部調査委の報告書によると、ソフトの売り上げに応じて入るライセンス料は、
ソフト会社からセンターに支払われ、うち1社は9割、残る1社は全額をセンターが確保。
センターは協会に対し、1社分の1割のみを支払う契約を結んでいた。
2社からのライセンス料は、06年10月~08年9月で計約7600万円に達するが、
うちセンターが約6900万円を受け取り、協会に渡ったのは約700万円だったという。
協会関係者は「協会とセンターの利益配分が適正でない。
そもそも、協会がソフト会社とライセンス使用契約を直接結ぶべきだ」と指摘する。
協会は内部調査委に対し、「ソフト会社に提供したデータは、協会から得た過去問題などを
センターで加工したものも多く、著作権が協会だけにあるとするのは事実誤認」と説明している。
センター代表の大久保副理事長は、大久保昇理事長の長男。センターはこのほか、
95~08年に協会から検定の採点など約99億4千万円分の業務を受注し、内部調査委が
「協会の資産流出を招いた」と指摘するファミリー企業のひとつ。協会は今後もセンターと
取引を続けることを決めている。
別の協会関係者は、センターについて「協会から巨額の業務委託費を受け取る一方、
本来は協会の資産であるデータを使ってライセンス料も得ている。
その手法は悪質で、理事長父子の公私混同ぶりを象徴している」と話している。
朝日新聞 [2009/4/15]
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