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「夏の日の想い出」などのヒット曲でハワイアンの女王として一世風びした日野てる子
(ひの・てるこ、本名・一ノ瀬照子=いちのせ・てるこ)さんが9日午後11時35分、肺がんのため
都内の病院で死去した。63歳。愛媛県出身。5年前にがんの告知を受けたが、最期まで
愛くるしい笑みを絶やすことがなかった。本人の遺志により、すでに密葬を済ませた。後日、
「偲(しの)ぶ会」が行われる。
南の島に咲く花のような輝く笑顔を残し日野さんが帰らぬ人となった。入院中に容体が
急変したのは今月9日。関係者によると、長女・トニカさん、長男・響さんら家族にみとられて
眠るように息を引き取ったという。
最初にがんが発見されたのは、03年12月25日。風邪に似た症状があり、都内の病院で
念のために精密検査を受けた。医師からの言葉は、「肺がんです」。たばこを吸わない日野さんに
とっては、全く考えてもいないことだった。入院。そして、翌年1月には、転院先で脳に5カ所
転移していることを告げられた。摘出手術を受け、一時は快方に向かったが、昨年、再びがんが
見つかり入退院を繰り返していた。
苦しい闘病生活を支えたのは、夫で作編曲家の一ノ瀬義孝さん、2人の子供たち、そして、
大好きな音楽だった。親しい関係者は「がんの告知を受けたあとも、以前と全然変わることがなく、
いつも優しい笑顔でした。歌い手としてはもちろん、妻として母親としても素晴らしい女性でした。
まだ若いのに本当に残念でなりません」と話した。
日野さんは、1965年からNHK紅白歌合戦に3年連続で出場。人気絶頂だった69年に
24歳で、番組で知り合った一ノ瀬さんと結婚。周囲には惜しむ声もあったが、芸能界から
退いた。2人の子供たちも成長し、同じ音楽の道へ進むことになって歌手活動を再開。
最後のステージは、昨年12月23日、都内のホテルで行われたクリスマスディナーショーだった。
関係者によると、いまでも熱烈なファンから「日野さんの歌が聴きたい。コンサートはいつ
やるんですか」との問い合わせが寄せられているという。
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