08/09/14 03:30:51 tmNbkrW20
小田嶋隆「大日本観察」2
私自身、とまどっている。
個人的には、もうずいぶん前から、プロ野球には興味を失っていて、
その意味では、野球中継がなくなったからといって、
私がショックを受ける理由はないはずなのだが、
それでも、自分の生活の中からプロ野球という枠組みが
消滅する事態には、簡単に適応できそうにない。
というのも、私の世代の男たちは、ものごころがつく頃から、
少なくとも30歳過ぎぐらいまでは、まるっきりの野球漬けで
暮らしてきた人々であるからで、その意味で、野球の消滅は、
自らの少年期の喪失に等しい一大事であるからだ。
クライマックスシリーズが盛り上がらない理由はなんとなくわかる。
たった6チームしかないリーグの中から、3チームが出場権を争うという
レギュレーションが、まずヘンだ。で、その「出場権争い」のために、
142試合のシーズンを争うという設定が、さらにおかしい。
だって、ということはつまり、ペナントレースが、
長い長い一次予選みたいな扱いになってしまうわけだから。
おかげで、例年ならナイターが一番盛り上がるはずの時期に、
上位3チームが0.5ゲーム差の中で優勝争いを演じていたにもかかわらず、
今年のペナントレースは、ほとんど話題にならなかった。
一位チームと二位チームが直接にぶつかり合う天王山の巨人戦ナイターが
一桁の視聴率に終わったこと自体、驚天動地の出来事だったが、
それ以前に、中継そのものが飛び石だった。
なんということだろう。
八月中のハイシーズンに、巨人戦のナイターが
数試合しか放映されなかったのだ。
これが末世でなくて何だというのだ?