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小田嶋隆「大日本観察」1
■■週刊ビジスタニュース■■ (2007/10/17)より
プロ野球中継の視聴率が最終局面に到達している件について、
テレビの中の人々は、極力話題にしない方向で一致している。
裏方はともかく、少なくとも画面に出てくる人々は、
決してこの話題に触れない。新聞も、だ。
デスク会議でナイターの視聴率が話題になることはあっても、
紙面では事実上禁句になっている。ついでに言えば、雑誌も同じ。
誰も書かないキマリになっている。
そう。私自身、書けずにいる。
だって、プロ野球の衰退なんかをコラムの主題に持ってきたら、
編集者が困惑するのは分かり切った話だから。気の毒だし。
つまり、日本のマスメディアは、プロ野球の終焉について、
口をつぐんでいるのである。
いや、圧力だとか言論封殺だとか、
そんな大げさなことを言いたいのではない。
ただ、現場には「その話題は勘弁してくれ」という
空気が流れているのだ。たぶん、あんまりムゴ過ぎるから。
いずれにしても、マスコミの人間は、
この事態(プロ野球の終焉)を扱いかねている、と、
そういうことだ。