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“ビーチの妖精”浅尾美和(22)=エスワン=が5日、
岡山県玉野市で開幕した今季国内ツアー最終戦「アイムの家オープン」をドタキャンした。
大会主催者は「家族が急病になったとのことで棄権の連絡が入った」と説明。
6日の本戦から出場するためビーチ隣接の宿泊ホテルまでは来ていたが、
会場に姿を見せることなくとんぼ返りしたという。
同県内で初のツアー開催とあって、この日は浅尾の試合がないにもかかわらず、
観客席やビーチ周辺に100人近くのファンが集まっていた。
出場前日は通常、砂の状況を確かめるために本番コートで練習する。
ペアを組む西堀もそのつもりでビーチに現れたが、1人では何もしようがなかった。
浅尾のツアー欠場は、8月末の東京大会から2大会連続。
関係者によると、前回は「CM出演企業と大会冠スポンサーが同業種」というのが理由だったという。
▽日本ビーチバレー連盟・川合俊一会長
「人気選手の浅尾が2大会連続で出場できなくなってしまったことは残念。ファンの方にも申しわけなく思う」
○記者の目
親の死に目にも会えない。プロとはそういう覚悟を持って戦う“特殊な人”だと思っている。
もちろん、家族を大切にする気持ちは分かる。しかし、今や浅尾は“ビーチの顔”である。
片田舎のビーチにまで足を運ぶファンのためにも、プロとしての責任を果たすべきではなかったか。
彼らは欠場することも、その理由も知らないのだ。
主催者は「詳しいことは所属事務所に聞いてください」と繰り返した。
今大会の欠場を知る前、浅尾を指導するコーチに練習の再開時期を尋ねると、
「(事務所から)答えるなと言われている」と返された。
いろんな種目で多くの選手や関係者を取材してきたが、こんな対応は初めてだ。
浅尾がいなければ、ビーチバレーにこれほどの注目が集まることはなかった。
だからといって、芸能人を扱うがごとく、周囲が過保護になってしまってはならない。
“タレント選手”などと言われることのないように、真のアスリートとして成長する手助けをする必要があるのではないか。
(井上学)
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