08/11/28 14:47:13
>>510
ソフトレンズは、薄いほど、また含水率が高いほど、乾燥しやすくなります。ですから、同じ含水率で、
より薄いレンズに変えれば、乾燥感は強くなります。では厚くすれば良いようなものですが、今度は
酸素透過性の問題が生じます。
従来素材のソフトでは、含水率が低いほど酸素透過係数が小さくなるため、より薄くしないと酸素不足が生じます。
38%含水率であれば、0.04mmは割りたいところですし、酸素透過係数がより高い58%含水率素材でも0.07mm程度に止めたい。
乾燥を防ぐために含水率を下げれば、薄くする必要があるため、乾燥しやすくなり、厚くして乾燥を防ごうとすれば、
酸素透過性を確保するために、含水率を上げる必要があるので、これまた乾燥しやすくなる、という状況に追い込まれます。
シリコーンハイドロゲル素材がもてはやされているのは、従来素材とは逆に、含水率が低いほど
酸素透過係数が高く、素材自体の酸素透過係数も最初から高いため、含水率を低くし、多少厚くして、
乾燥しにくいようにしても、十二分な酸素透過性を確保できるという点です。酸素透過性不足は
病原菌に感染しやすい状況や、角膜内皮の老化につながりますが、自覚症状は通常ありません。
つまり、「自分が快適なレンズが一番」、という考え方は誤りだ、ということです。