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太陽の活動がこの50年で観測された中で最も弱まっているようだ。
太陽・宇宙探査機「ユリシーズ」の観測データから、太陽の黒点数が減少し、
太陽風や太陽磁場が弱まっていることが分かったという。
これは、言い換えれば太陽圏が縮小したということを意味する。
太陽圏とは太陽風の影響下にある広大な領域で、冥王星軌道を越えてはるか先まで広がっている。
その境界では、宇宙の深奥から流入する生命にとって危険な銀河宇宙線をブロックし、
地球をはじめとする各惑星の盾となっている。
科学者らはこの観測結果についていまのところ具体的な結論を出していない。
特に、この変化が地球の気候に影響するか否かに関しては回答を保留している。
「この領域は、科学的にはいまだ推測の域を出ない」とボストン大学のナンシー・クルッカー氏は話す。
一方、ユリシーズ内の実験の一部を主導するサウスウエスト研究所のデイビッド・マコーマス氏は、
「これは重大な変化だ。太陽全体の活動が10~15年前に比べてかなり低下している。
観測史上、これほど長い低迷期が続いたことはない」と語っている。
太陽の活動に波があることは以前から知られており、磁場分布は22年、黒点数は11年周期で変動している。
だが、同氏によると「今回観測された太陽風はこれまでの最小記録を大幅に塗り替えるほど弱いものだった」という。
そして、その状態が予想以上に長く続いているというのだ。
太陽の活動が過去50年間のデータよりも低下していた時期は以前にもあった。
1600年代前半にはガリレオをはじめとする天文学者らが、通常であれば30年で5万個近く観測できる
黒点を約50個しか観測できなかった。
太陽の活動の強さに関しては、地球の気候との関係についても何世紀にもわたる議論がなされており、
短期的には影響を及ぼすという証拠も得られている。