09/07/03 11:25:14
■液晶だけが非光沢だった
振り返ってみると、テレビの表面が光っているのは当たり前だった。
ブラウン管テレビは基本的に光沢テレビだった。
実は、ブラウン管時代も表面反射の問題は何度か問われており、
非光沢(ノングレア)加工をして表面を荒らし、乱反射させることで映り込みを防ぐこともあった。
パソコン用のブラウン管ディスプレーがそうだ。しかし、質感が劣り、乾いた感じになることが指摘され、
テレビはいつも光沢に戻っていた。
リアプロジェクションテレビも最初はノングレア加工だったが、最後はどのメーカーも光沢を採用した。
一方、業務用の液晶パソコンは今もノングレアが普通で、それは仕事で使うときは反射が邪魔だからだ。
しかし家庭用のAVパソコンになると、ブラウン管テレビのような反射感、ピカピカ感がほしいということになる。
プラズマも反射型であることを考えると、ノングレアにこだわっているのは液晶テレビぐらいだ。
シャープが従来のブラウン管テレビと違う存在感を示すために、最初からノングレアで突っ走って大型化した。
それを各社がフォローしてきたのである。
しかし、なぜ液晶テレビだけがノングレアのままなのかと考えるメーカーも出てきた。
ノングレアには、乱反射によって全体的にぼぉっとした輝きが残ってしまう問題がある。
黒が浮いた感じになり、コントラストも低下する。
さらに、内部から届く光が表面のざらざら処理に妨げられて拡散してしまうため、フォーカスにも不利な状況だ。
ただし、映り込みがないというのは非常に大きい利点だ。
特に店頭ではプラズマが映り込むのに対し、液晶は映り込みがないことを大きなセールスポイントにしてきた。
店頭では、映像そのもののダイナミックモードを強めているため、
少々表面で乱反射してフォーカスが劣ろうが、あまり分からない。