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★【正論】拓殖大学学長・渡辺利夫 驚嘆すべき福澤諭吉の予見力
≪明治の外交思潮をリード≫
いずれの著作であったか思いだせないが、「明治ほど国際的な時代はなかった」といったのは確か
江藤淳である。
そうに違いない。開国・維新を実現していまだ幼弱な日本が、ユーラシアの大国、清国やロシアに
発し、朝鮮半島を経て日本に迫(せ)り出す強い「等圧線」に抗するには、自国を取り巻く国際環境を
鋭く観察し、その観察にもとづく機敏な外交の展開こそが不可欠であった。
国際情勢判断に寸分の狂いも許されなかったのである。日清戦争の全局を指揮した陸奥宗光、
日露戦争時の外交の衝に当たった小村寿太郎などは、そうした指導者の典型である。
明治日本の外交思潮を代表するオピニオンリーダーが、福澤諭吉である。
福澤の「脱亜論」を、アジア蔑視(べっし)論の元凶であるかのようにいう歴史学者が日本にはいまなお
少なくないのは驚くべきことである。往時の日本がおかれた国際的与件の中で、日本と日本人がどう
行動したのかを怜悧(れいり)に分析し記述する営為が歴史学に他ならない。現代の価値観で歴史を
断罪するのであれば、こんな楽な商売もない。(>>21以降につづく)
(わたなべ としお)
ソース:産経新聞[2009.3.3 03:17]
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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