09/05/03 06:39:36 I/Riw6nw
1. 資格を望まば名もありて 通うに易き都心(まち)にある / 出会いを求まば人多き 六分(りくぶ)の契機四分の熱
2. 多摩の校舎をたづぬれば 労惜しむかな僻地ゆゑ / モノの のろさをしかめれば 人住む処都とや
3.踏めや山道 蔦かずら 野猿の叫び 蝮谷 / 峠の道行くわかものに まことの をのこ君を見る
4. あゝ われ東大の頭なく 慶応 早稲田の閥なきも / 多摩に通ひて野に遊ぶ 白猿人と人の云ふ
5. 人は笑はんきゃん多摩は 辺鄙の山里 森の奥 / 夢かと泣きて歯噛みせし 神田時代(むかし)を慕ふ 罪ごころ
6. 見よ西北に三田本郷 どれにも似ざる駿河台 / あやふからずや雲なびき 天火(てんか)ひとたび降らん時
7. 校是を忘れて都心(まち)をすて 山奥辺地にしのぶとや / 遠くのがれて腕を摩す 山菜取りや今いかん
8. 多摩に集えるもの共は みな狂信の狩ル徒なり / 層化に鸚鵡に統一に 鳥葬連に普炉刺民
9. 四(し)たび辺鄙の森を越え 多摩の奥地に來てみれば / 穐(あき)の日かなし 白門や むかしにかはる 雲の色
10.あゝ われ如何に学力の 結果と云へどこのざまに / むせぶ涙に泣き濡れて かなしや多摩へ通ふ日々
11.わが偏差値の高ければ 都心に通ふと人の云ふ / われに過ぎたるのぞみをば 君ならで はた誰か知る
12.あやまらずやは眞ごころを 君が詩 いたくあらはなる / むねんなるかな燃ゆる血の 價すくなき すゑの世や
13.おのずからなる奥多摩を 気嫌ふなさけは洩すとも / 人を罵り世をいかる はげしき歌を祕めよかし
14.口をひらけば嫉みあり 筆をにぎれば譏りあり / 友を諫めに泣かせても 猶ゆくべきや多摩校舎
15.おなじ憂ひの多摩なれば 千里のそらも二つ家 / おのが袂と云ふなかれ やがて二人のなみだぞや
16.はるばる寄せし ますらをの 怒りの文を袖にして / けふ奥多摩の山のうへ 煙突たてて見る甍