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米国がサブプライムなら中国は「鉄道危機」か-高速化で債務膨らむ
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)
12月22日(ブルームバーグ):中国の北京と天津をわずか30分で結ぶ中国自慢の高速鉄道。ただ、急速な
経済成長の恩恵にあずかることない農村は素通りだ。
「京津城際鉄路」は中国が総額2兆元(約27兆円)を投じ全土に張りめぐらす計画の高速旅客鉄道網の一
部だが、必要以上に多くの、そして必要以上に速い鉄道網で中国が苦しむ恐れもある。
北京大学のマイケル・ペティス教授(財政学)は、高速鉄道による時間短縮がもたらす恩恵はコストに見合
わない可能性もあると指摘する。政府が公共事業支出を重視する中で医療保険や老齢年金の整備が遅れ、
不利益を被るのは中国の消費者だと解説する。
ベアー・スターンズで新興市場担当責任者を務めていた同教授は、高速鉄道網整備は国として誇りには
なるだろうが、中国は「開発水準との比較において世界最高のインフラを既に備えている」と話す。
世界的な金融危機にもかかわらず、中国は昨年、高速鉄道網の整備計画を加速させた。旅客鉄道網を
2020年までに3割以上拡大し全長1万6000キロにするという。
その中心は、北京と上海の1318キロを現在の10時間から半分の5時間で結ぶ高速鉄道だ。12年までに
開業を目指し、総額2210億元のこのプロジェクトは、現在12万7000人という労働力を投じ進行中だ。
割高
モルガン・スタンレー・アジアのスティーブン・ローチ会長によれば、工場や鉄道網などの固定資産に対する
投資は今年1-9月に中国経済が達成した7.7%成長に95%余り寄与し国内総生産(GDP)の45%を占めた。
どんな主要経済のいつの時代を振り返っても、このような高い割合はないという。
同会長は18日の北京でのスピーチで、個人消費が急増せず、輸出も伸び悩んでいる状況では、中国は経
済成長を促すためさらに投資を増やさざるを得ないとした上で、「どんな経済にとっても、ばかげた持続不可
能な数値が並んでいる」と述べた。
北京交通大学の趙堅教授(経済学)は中国のテレビ局との9月のインタビューで、大半の中国人は高速鉄
道に乗るための割高な運賃を支払おうとしないだろうとの見方を示した。
北京・天津間の120キロを30分で結ぶ高速鉄道の2等車片道切符は58元と、平均的な労働者が1日働いて
受け取る賃金の約4分の3だ。スピードの遅い一般鉄道で硬いシートに座っていけば2時間かかるが11元で
済む。
趙教授は乗客が高速鉄道を敬遠すれば収入が増えず、現行ペースで建設が進むとすれば債務返済に十
分な水準とはならないだろうと警告する。中国鉄道省の残債は3830億元。趙教授はテレビインタビューで、
「米国にサブプライム危機があるなら、中国には鉄道債務危機がある。政府債務危機と言ってもいいだろう」
と危機感を示した。
それでも、「高速鉄道は最も安全で最も速く、最も経済的で最も環境に優しく、最も信頼性の高い交通手段」
というのが鉄道省の認識だ。