07/06/13 09:37:23
【我輩】:
江戸を愛(め)で、失はれし言靈(ことだま)を惜しむ耄碌爺なり。容貌魁偉にして赤貧洗ふが如し。
【原則】:(近頃隨分いい加減)
一、小賢(こざか)しき拵(こしら)への店や連鎖店なるは、倶(とも)に天を戴(いたゞ)かざるの敵。
二、志(こゝろざし)高く、特徴多き店を貴(たつと)ぶ。
三、媒體に未(いま)だ紹介されざる店を尊(たふと)ぶ。
四、鮨屋は名高き店にても、自らの眼(まなこ)にて再評價。
五、天麩羅、鰻、蕎麥は、思ひ入れ無きゆゑ氣分次第。洋食亦然り。
六、茶の湯、書畫骨董、に疎(うと)き無粹者なれば、懷石、これを語るを得ず。
七、葡萄酒、洋式社交術、西洋文化を知らざれば、佛伊料理、これを語るべからず。
八、訪ねしより二年(ふたとせ)經(へ)たる店はこれを除く。
【信條】:
一、職人に旨きを喰はす面構(つらがま)へあり。
二、行平(ゆきひら)は味を映す鏡。
三、楊枝は黑文字、箸は利休箸、カウンタは檜の一枚板に限る。
四、鮮度高きが故に尊(たうと)からず。寢かせて醸(かも)すも味の内。
五、心地良さの鍵、仄(ほの)かなる「搖(ゆ)らぎ」にあり。
六、實(げ)に愉快(ゆくわい)なるもの、ものゝ硬き軟き、強き弱きの對比なり。
七、見るべきは、下足番、傘番、帳場、雨の日の客あしらひ。老舖侮(あなど)るべからず。
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