08/03/20 18:25:48
名古屋市緑区のごみや資源物を収集する市環境局緑環境事業所(同区鳴海町)で、天白川に注ぐ
天白排水路に垂れ流す“簡易便所”を職員が作って使っていたことが分かった。約2年前に設置した
とみられる。事実を確認した市は、簡易便所を撤去。廃棄物処理法(投棄禁止)に触れる可能性も
あるとみて、関与した職員らから事情を聴いている。
簡易便所は約3メートルのガードレール用の金属板を敷地内から排水路に渡し、金属板のへこみ部分に
小便を流す仕組み。市環境局によると、市職員を定年退職した嘱託職員らが2年ほど前、自費で建てた
という休憩小屋の外に設置したらしい。
金属板は敷地の内外を隔てる金網の一部を破って通してあった。目隠し用とみられるプラスチック板を
立てたり、近くに水入りのバケツを置いたりと、常態的な使用をうかがわせる痕跡もあった。市は休憩小屋に
出入りする嘱託職員約10人が主に使ったとみている。
市上下水道局などによると、天白排水路は延長2・26キロの雨水処理用水路。排水路の水は、一部が
下流にある鳴海下水処理場で下水処理されるが、大半はそのまま天白川に流れる。
中日新聞の取材に対し、同事業所の石黒信雄所長は「恥ずかしながら取材を受けるまで
(簡易便所に)まったく気づかなかった」と釈明。休憩小屋から約50メートルの場所に
同事業所事務所の休憩所やトイレがあるが、石黒所長は「休憩所が手狭なのは事実なので、
休憩小屋については黙認していた」と説明する。また、休憩小屋に同事業所から勝手に
配電線を引いて電化製品を使っていたことも判明しており、市は休憩小屋の撤去も検討している。
天白川などで環境保全や環境教育に取り組む市民団体「天白・川辺の楽校」の男性会員(73)は
「下水の普及で天白川にも鳥や昆虫が増えてきている中で、公務員にそんな不心得者がいるのは
残念。子どもに示しがつかない」とあきれ返っていた。
天白川は愛知県日進市から名古屋市を経て伊勢湾に注ぐ延長約23キロの2級河川。水質は
改善傾向にあり、汚濁の指標となる生物化学的酸素要求量(BOD)は2003年度以降、環境基準を
達成している。
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