09/01/25 23:08:06
【食】「うどんの起源は中国でも韓国でもなく日本」伝承料理研究家が新説
うどんのルーツは中国ではなく、日本だった?―うどんは、日本で独自に
できた食べ物とする新説を、伝承料理研究家の奥村彪生(あやお)さん
(71)が30年がかりの現地調査でまとめた。これまで、うどんは漢字
表記の変化などから、中国のワンタンが原型というのが有力な説だった。
ワンタンの中国表記である「コントン」のコンは、食へんに「昆」と書き、
トンは饂飩(うどん)の飩。だが、コンを食へんに「軍」と書くことがあり、
ウントン、ウンドンとも読む。これが読みの同じ温飩になり、饂飩に変わっ
た―。この説は、昭和初期の中国研究者・故青木正児(まさる)京都大
教授が「饂飩の歴史」という論文で発表し、広まった。だが、奥村さんは
この説に疑問を持ち、中国の二十数都市でめん料理を現地調査した。日本の
文献にあるめん料理の製法とも比べた。その結果、中国には、めんを湯に
つけて温め、付け汁につけて食べる、うどん本来の食べ方がなかったという。
「饂」という漢字も中国にはない。また、平安時代の日本の文献には「コン
トン」という食べ物があったが、肉のあんを小麦の皮で包んだもので、うどん
とは似ていなかった。うどんを示すと考えられる表記が日本の文献に初めて
登場するのは南北朝時代で、カタカナで「ウトム」とあった。これらの結果
から、奥村さんは、うどんは中国から伝わった「切り麦」から日本独自に進化
したと推測。切り麦はいまの冷や麦で、細いので湯につけるとのびやすい。
うどんは、温めて食べる専用の太いめんとして生み出された可能性が高いと
結論付けた。
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