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黄色のキャップにブルーのボトルでおなじみのヤマトのり。小学生のころ、図工や理科の時間に
大活躍してくれた。付属のヘラが付いていたけれど、ムニュッとした感触が楽しくて、必要以上に
たくさんの量を指で塗っていた。
ヤマトのりの原型ができたのは百十年前の一八九九年。当時、のりは米を煮出して作る“生もの”で、
保存がきかなかった。
東京で炭や薪(まき)を売っていた木内弥吉は、炭を小分けする袋を閉じるために使うのりがすぐに腐り、
困っていた。木内はのりが腐るのを防ぐため、当時の識者から学んで防腐剤を使用したのりを完成させ、
日本で初めて、ビン入りの保存がきくのりを販売。完成したのりが「大当たりしますように」と願いを込めて、
ビンには矢が的を射るマークをあしらい、商品名も「ヤマト(矢的)のり」とした。
保存がきいて、持ち運びに便利なヤマトのりは企業や学校などから好評を博し、売り上げを伸ばした。
戦時中は国の規制で、でんぷんを含む穀物をのりの原料として使えなくなった。
そこで、ヒガンバナの球根などからでんぷんを抽出。これまでの加熱する製法から化学的処理を行う
冷糊(れいこ)法を発案。一九五〇年、製法特許を取得した。現在も同じ冷糊法で作っている。
ブルーのボトルに黄色のキャップで発売されたのは五八年。それ以来、容器のカラーバリエーションは
増えても、基本的なデザインは変わっていない。
ヤマトのりは現在も保育園や小学校などの「お道具箱」の必需品となっている。
幼いこどもたちにはのりを手で触って、塗ることが知育にも役立つともいわれ、保育園などの
学納ルートでのシェアは全国一位を誇る。
誤って口に入れても安心できるよう、原料は八三年からタピオカのでんぷんを使用。
小麦などからも作ることはできるが、小麦アレルギーを持つ子どもたちに配慮した。
ヤマト広報担当の宿谷尚代さん(34)は「本当に親しみを持たれてきた商品。この先何十年も
愛され続けるでしょう。指で塗っていると思わず時間を忘れて没頭できるし、癒やされますよ」と笑う。
現在のオフィスでは液状のりやスティックのりが主流だが、たまには指でのりを塗って、
童心に帰ってみては? (西川正志)
◆めも
ヤマトのもうひとつの主力商品は液状のりの「アラビックヤマト」。最大の特徴はのりを塗りつけるスポンジ部分。
塗り口が固まりにくく、均一でなめらかに塗れるよう、約3年間の試行錯誤を重ねて完成したのが、
ざるの形をモデルにしたスポンジだった。開発から30年以上たった今も、液状のりでシェア7割を誇る。
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
ヤマトのベストセラー「ヤマトのり」を紹介する同社広報担当の宿谷尚代さん=中央区日本橋で
ソース:東京新聞(2009年10月25日)
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