09/10/25 07:54:30
◇長岡さん・室井さん、たった２人で
【福岡】数年前までほとんどゴミ捨て場だった飯塚市伊岐須の住宅跡地が今、
季節の花が咲き乱れる花壇に生まれ変わった。
世話をしているのは地元の高齢男性２人。花壇は今月、市主催のコンクールで
１位の金賞に輝いた。２人の地道な取り組みが、大きな花を咲かせた。
住宅街にある公園の角を曲がると、真っ赤なサルビアやオレンジ色のマリーゴールドが
目に飛び込んでくる。近所に住む長岡春雄さん（８９）と室井政彦さん（７７）が
手入れをしている花壇だ。
２人は約６年前、地域の別の花壇の世話をグループで始めた。
だが、主力メンバーが亡くなるなどして残ったのは２人だけ。花壇も約４年前、地主に
返すことになった。「花を育て続けたい」と場所を探し、たどり着いたのが現在地だった。
ただ、民家を取り壊した跡地で、多くのゴミが捨てられていた。木が茂って暗く、
前を走って通る人もいた。
ガラスや空き缶を拾い、石を集め、木を抜いた。室井さんは「トラック一杯分はゴミがあった」
と振り返る。半年かけて整地し、少しずつ面積も広げた。苗を植え、草をむしり、肥料をやる。
時期を過ぎた花は摘む。真夏は日が当たり過ぎないように竹の棒とネットで陰をつくった。
地味な作業だが「花が育つのが楽しいんですよ」と室井さん。
今では通りかかる人が足を止め、花を見入るようになった。「きれいになりよるね」と
作業をする２人にジュースや昼食を差し入れてくれる人も現れた。
春秋の市のコンクールで、昨秋から銅賞、銀賞を経て、初めて金賞に選ばれた。
長岡さんは「花が応えてくれたんですよ。無理するなと言われるけれど、これが健康の秘けつです」
と笑顔を見せた。【伊藤奈々恵】
ソース：毎日jp（2009年10月24日）
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