09/09/28 06:18:16
「見習い警察犬」の愛称で人気の「きな子」（雌、７歳）をモデルにした映画が来夏、松竹系で
全国公開される。三豊市詫間町の山すそに建てられた訓練所のオープンセットでは２７日、
出演陣ときな子役の犬が名演技を披露した。
「見る人が応援したくなるような訓練士を演じたい」と主演の夏帆さん（１８）。
撮影は１０月末まで続く。
「本番、用意スタート」。掛け声とともにカチンコの乾いた音が、セットを囲む山々に響く。
下ろした黒髪を束ねた夏帆さんはジャージー姿で、犬を障害物の前まで引率するシーンに臨んだ。
寄り添ってじゃれる“相棒”の頭をなでながら、夏帆さんは「最初は戸惑いましたが、今では
かわいくて、かわいくて」と笑う。東京出身で讃岐弁も勉強したといい、「うどんを食べて
香川を満喫しています」と目を細めた。
そんな１人と１匹を、つなぎの作業服姿で首にタオルをかけ、耳かきしながら見守るのは
訓練所長役の寺脇康文さん（４７）。「充実しています。休憩中に海を眺めているだけで、
癒やされる」と風光明媚(めいび)な香川をすっかり気に入ったようだ。
メガホンを取るのは、２００７年に劇場映画デビューした小林義則監督。
「夢を追いかける犬を育んだ香川で、“きずな”を深める人間模様を描きたい」と狙いを話す。
撮影やロケ地の選定には県観光協会などが協力。この日は地元自治会が昼食にと、
カレーの炊き出しに精を出した。自治会長の谷口勝久さん（７２）は「人情味あふれる町を、
映画を通じて全国に発信してもらえれば」と期待する。
ロケは三豊、丸亀両市や多度津町などでも行われる。約２年前から、きな子が所属する
丸亀警察犬訓練所に通い、構想を温めた松竹映像企画室の伊藤仁吾プロデューサーは
「けなげに頑張るきな子への共感は広がっている。みなさんに支えていただき、
感動あふれる映画に仕上げたい」と意気込む。
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訓練シーンの撮影に臨む夏帆さん（左）ときな子役の犬（三豊市で）
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山のふもとに建設された訓練所のオープンセット。地元住民も炊き出しなどで応援する
ソース： 読売新聞（2009年9月28日）
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