09/05/12 11:18:16
食の安心・安全に関心が高まるなか、ベランダなどでプランターを使う家庭菜園が静かな人気を
呼んでいる。若い女性にも、ガーデニングをもじった“ フードニング”として徐々に浸透。不景気
による節約志向も追い風となり、神戸市内のホームセンターなどでは野菜の苗の売り上げが
増えている。
兵庫県内で十三店舗を運営するホームセンターアグロ（宍粟市）では、野菜苗全体の売上高は
年間３％程度しか増えていないが、昨年はゴーヤや万願寺唐辛子が倍増。トマトも約二割伸びた。
「若い女性の問い合わせも多く、ベランダで育てる人が目立つ」と同社担当者。
アグロガーデン神戸駒ケ林店（神戸市長田区）では五月中旬まで、野菜苗の売り場の広さを二倍にし、
全部で約百種、トマトだけで約五十種をそろえた。トマトの売り上げは昨年比で三-四割増、ゴーヤも
倍増の勢いという。
同市長田区の主婦（３５）は「ミニトマトなら一本の苗で五十個ほどとれるし、食費の節約につながる。
とれたてを食べられるのも楽しみ」。生命力が強いトマトは初心者でも作りやすく、人気につながって
いるようだ。
ゴーヤは、ビタミン豊富な点が健康ブームで注目されている上、つるがよく伸びるので「窓際で
茂らせれば緑の遮光カーテンになり、エアコンの電気代が節約できる」と同店担当者。苗以外にも、
根を張らせるための深めのプランターや、つるを絡ませるネットの売り上げも、前年比で一-二割
アップしている。
フードニング初心者のマニュアルとして重宝されているのが、元兵庫県職員の園芸研究家
上岡誉富（たかよし）さん＝明石市＝の著書「かんたん！プランター菜園 コツのコツ」（農産漁村
文化協会）。二年前に出版し、すでに十刷を数えている。
上岡さんは農林水産省を経て、県で野菜栽培の専門技術員を務めた。一九八三年に退職後、
種苗会社の技術顧問などに就きながら、自宅で屋上菜園を始めたという。
「プランターで育てると病害虫が少なく、野菜や土の状態を細部まで見られる」と上岡さん。「畑や
庭がなくても手軽にできるので、たくさんの人に野菜作りを楽しんでほしい」と話している。
▽ソース：神戸新聞 （2009/05/11）
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