08/11/09 13:37:01
自らを「画狂人」と称した江戸後期の浮世絵師、葛飾北斎。
晩年を過ごした小布施町にある美術館「北斎館」は、
貴重な肉筆や版画など約100点を収蔵する。
目玉の一つの「祭屋台天井絵」(県宝指定)は地元・上(かん)町、
東町の2基の屋台の天井に、激しく渦巻く「怒濤(どとう)」や
中国古典「水滸伝(すいこでん)」の「龍」などが大きく描かれている。
晩年とは思えない迫力あふれる作品に圧倒された。
ダイナミックな作品だけでなく、細やかな線描法に惹(ひ)きつけられる。
例えば、小布施の伝統菊「巴錦」を描いた「菊」という作品。
2幅が対になり、花びら一枚一枚が繊細な画法で立体的に折り重なる。
北斎には絵だけでなく文芸作品も多い。
「八の字の ふんばり強し 夏の富士」は、江戸から小布施への道中に詠んだと言われる。
俳句のように一般的に知られていない北斎作品や、
江戸時代の風土などから包括的に当時の文化を見つめ直そうと、
10月24~26日、同町で「おぶせ学術・芸術サミット」が開かれた。
サミットで北斎の短詩について発表した八城和彦館長は「新発見が多く、美術館として深みを追求したい」と言う。
専門的になりすぎても来館者の関心を得にくいため「深く広く楽しめるようにしたい」と語る。
有名な「富嶽(ふがく)三十六景・神奈川沖浪裏」の制作過程を1版ずつ示したパネルや映像展示室などもあり、
北斎の意匠が改めて感じることができる。
午前9時~午後5時。入場料は大人500円▽高校生300円▽小・中学生無料。【大島英吾】
11月8日14時1分配信 毎日新聞
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