09/02/06 02:23:36 ZtPHLKgt0
昔々、彼女の付けている香水にメロメロになって付き合い始め、結婚し、今に至る。
彼女と初めて出会った日に、初めてその香水に出会った。
好きな小説、作家、音楽、哲学の話で盛り上がった後、
彼女の運転する車の助手席で、
ズイブント、イイカノリノスル ジョセイダナ
と、気付いたのを 今でも鮮明に覚えている。
当時、田舎モノだった私にとって、彼女を抱きしめたときに漂う香りは
高貴で魅惑的で清々しく、時間を忘れさせるスイッチのような存在だった。
後になって聞いてみると 当時は意外にもメジャーな香水だったらしいのだが
他で同じような香りに魅せられた記憶は無かった。
彼女のお気に入りの『月並みだったという』その香水も数年前に無くなり
今は国内販売もしていないという。
そのブランドのショップに問いあわせたり 何軒も香水販売店巡ったりしたけど
見つからなかった。
記憶に近い物に巡り合うこともできなかった。
きっと、彼女が、その香水とまじりあって、唯一、私を、惹きつける存在に、成り得たんだろうなと
いまになって理解できた。
きっと、私にしか、効かない、彼女と、香水の、唯一の、一隅の、組み合わせだったのだと思う。
最近になって、偶然に個人輸入で通販してるところがあるのを見つけた
もうすぐやってくる結婚記念日に買ってみようと思う。
余りにも『月並み』で銘柄は書けない。