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前狂言 女役者 笑川 美佳 2
その合同公演には、もうひとつの副産物がありました。最後の挨拶で、近江新之介がこう言ったのです。
「私は親父という存在を知らない。この合同公演で、心の大きい三之介座長に可愛がられて、
父親とはいかなるものか生まれて初めて分かったような気がしました。感謝します。」と。
そして号泣したのでしたが、 その涙は、最後の緞帳が降りるまで止まることはありませんでした。
このあと浪花劇団にも悲劇が訪れました。若手の男優がいないため、凋落の一途をたどったのです。
夜の部などはどこでも、お客10人~20人ぐらいでしたでしょうか。
今度は、「浪花はもう おしまい」とまで陰口を叩かれました。、
そのころ めだかの口上は常に「男おらんか、どこぞに男おらんか、婿おらんか」の連発でした。
ついに救世主がでて、浪花は再生しましたが、その救世主こそは 緞帳が下がるま泣きやまなかった
あの近江新之介だったのですが、その後の彼の活躍は皆さんよくご存じの事です。
あの鈴成座の公演で わたしは 悲運と幸運が見事にクロスした瞬間を見てしまったようです。
で、わたしは、今回の話は単純に「リハビリは娘のもとで」と言う話だろう思いいますよ。