08/03/31 15:27:48 lMktDr8C
二日目・宇都宮女子「自転車置き場に午後六時」
高校生たちの生活や抱えている問題を、「午後六時の自転車置き場」という場所で定点観測
したような作品。
まず、舞台セットがきれいでした。古い自転車置き場の簡素なセットなんだけど、生明かりの
照明や、並んだ自転車のフレームの光沢とも相まって、非常に美しい舞台でした。
演技は日常性を大事にしたニュアンスの細かい芝居で、どの役者も柔らかい、いい演技でした。
笑いのセンスも押し付けがましくなく、うまいと思った。ただ、今回の客席とはマッチしきれなかったような
印象も受けた。自転車のとこ(「耳をすませば」のパロディ?)とか、尾崎先輩大量発生のくだりとか、
普段はもっと受けたんじゃないかと思った。
女子高生たちのそれぞれの問題のなかで、比較的深く追求される問題(部活の悩みや先生との恋愛の悩みなど)が
煮詰まってくると、言葉にならない感情の鬱憤を、自転車を突き倒して表現する、というシーンがあるんだけど、
それもうまいと思った。生徒創作とかだと、ここでダラダラと喋って観客を冷めさせてしまう、という作品が多いので。
女子高でなくても、全国的に女子だけの少人数の演劇部というのは多いと思うから、
こういう学校が大きな大会で上演するというのは、意義のあることだと思います。