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発信箱:まち歩きの可能性=松井宏員
昨年を表す漢字は「変」。まさに大阪は「変」の一年だった。橋下徹知事の府政変革のゆえだが、
テレビが生んだトリックスターなのか、変革の旗手なのか。今年は、知事を見極める一年になる。
さて今年、大阪では8~10月に「水都大阪2009」が開催される。中でも、川とまち歩きを
組み合わせた20コースを案内する「クルーズ&ウオーク」に、新しい観光スタイルが見いだせる
のではと期待している。
長崎市は06年、日本初のまち歩き博覧会「長崎さるく博」を成功させた。1000万人以上が
マップを手に歩き、今もまち歩き案内は継続している。一昨年参加してみた。地元のおっちゃん
、おばちゃんのガイドが観光コースの深いところや、観光客が行かないディープなスポットを
案内してくれる。例えば病院の駐車場の「駐車禁止。違反した方には注射します」なんて看板まで。
市民のまち歩き参加者も多く、企画・運営に携わった市民プロデューサーの「街への誇りを
市民が持てたのが一番の効果」の言葉が印象深かった。
「クルーズ&ウオーク」は非営利組織(NPO)など民間主体で運営し、水都大阪が終わっても
継続する。観光客はもちろんだが、大阪人も参加してほしい。大阪研究家の前垣和義さんが、
大阪府民約550人にアンケートしたところ、「大阪が好き」は7割に達したが、「大阪人であることを
誇りに思うか」には逆に7割がノーと答えた。大阪のことを知らないからだろう。自分の街を知ることが
誇りにつながる。そのきっかけになれば、知事が一時はちゃぶ台返しした府の拠出金も、安いものだ。
(社会部)
毎日新聞
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