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全国で最大六十四万人の死者が想定されている新型インフルエンザの大流行に備え、
ダチョウの卵を使ったワクチン研究が、神戸市西区神出町のダチョウ牧場で進んでいる。
獣医師で京都府立大学(京都市左京区)の塚本康浩教授(39)らの取り組み。
すでに、新型に変異する可能性が高いとされる「高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)」を
無毒化する抗体の大量精製に成功しており、四年後をめどに、実用化を目指す。(川口洋光)
■研究京都府立大教授、4年後めどに実用化 神戸の牧場
抗体は、体内に入ったウイルスを無毒化するタンパク質の一種。鳥類は母体で作った抗体を
卵に移す性質がある。塚本教授は生命力が強く、卵が大きいダチョウに着目し五年前、
ダチョウ牧場の協力で研究を始めた。
ウイルスの一部をダチョウに注射すると約二週間で抗体ができ、やがて卵の中に濃縮されて
産み出される。ダチョウ一羽が半年間に産む百個の卵からは、ワクチン接種八万回分の
抗体が精製できる。費用も、ニワトリなどを使う従来方法に比べ約四千分の一で済み、
「良質で安定した抗体が大量精製できる」という。
塚本教授らは、この抗体から作ったワクチンの効果を、インドネシア・ジャカルタ近郊の
研究施設で試験。ワクチンを注射したニワトリに鳥インフルエンザウイルスを感染させても
発症しなかった。
今後は、臨床試験などを通じて人への応用を目指す。塚本教授は「まずは、新型インフルエンザ流行の
“震源地”となる恐れの強い東南アジアで、ワクチンを安価に提供したい」と意気込む。
また、研究過程で副産物もあった。今年六月、ベンチャー企業を設立し、ダチョウが作った
抗体で、空気中のウイルスから人体をガードする「抗体マスク」を、マスクメーカーと共同開発。
販売を始めている。
ソース(神戸新聞):
URLリンク(www.kobe-np.co.jp)