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残飯を使い回して他の客に出すことが半ば「公然の秘密」となっている韓国の
飲食店に対し、韓国政府は店舗閉鎖を含む厳しい措置を取る方針を決めた。
2009年上半期までに食品衛生法施行令を改正する予定で、保健福祉家族省は
「誤った食文化、悪習を改革する」と意気込んでいる。
残飯使い回しの実態は韓国のテレビ各局で08年8~9月に相次いで放映された。
公共放送KBSの独自調査では、80%の飲食店が使い回しをしていた。消費者の
苦情が同省に寄せられるようになり、新措置導入の検討が始まったという。
改正案では、初めて使い回しが発覚した店に営業停止1か月、2回目なら同
3か月、3回目には店舗閉鎖と段階的に罰則を厳しくする。政府の動きに呼応して、
ソウル市内の一部の飲食店では、食べ残しを客の前で専用容器に回収する取り組みも
始まった。
食べ残しが多い理由のひとつが、「パンチャン」と呼ばれるおかずが必要以上に
食卓に並ぶことだ。パンチャンはキムチや魚の煮付けなど店によって違うが、客が
食事を注文すると何種類かがサービスで提供される。同省によると、量が少ないと
「ケチな店」と思われる風潮がある。このため、店がパンチャンを多めに出し、
食べ残しを別の客にも使う悪循環が起きているという。
ソウル市内でも高級飲食店などが集まる江南区は、パンチャンを注文制にして、
客が食べたいものを必要な量だけ自分で選ぶ仕組みを導入するよう区内の店に
呼びかけている。
だが、呼びかけに応じたのは「区内5000店舗のうち約10店舗」(区担当者)。
同省によると、今回の施行令改正に対しても飲食店の業界団体は、「客が減る」
「処分が重すぎる」と反発しているという。
同省は「残飯はゴミだと考え、残飯を減らす方法を考えてほしい」と、飲食業者に
従来の発想を変えるよう要求。消費者に対しても「量が多ければ良いのではなく、
きれいな食べ物が良いという認識を持ってほしい」と注文している。
韓国ではソウル五輪開催決定後の1983年、「衛生的な食べ物」を実現しようと
パンチャンを個別に注文する制度を導入した。しかし、パンチャンに料金を払うこと
に消費者が反発。罰則がなく、飲食店も制度を守らなかったため、制度が形骸(けいがい)
化した経緯がある。今回も、飲食店の意識や消費者の関心を喚起できるかが、新措置の
成否のカギを握りそうだ。
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